気候変動の最新情報と自然エネルギーを考える~

5月19日、徳島再生可能エネルギー協議会・徳島小水力利用推進協議会主催の学習会が表記テーマで開催され、講師の谷口信雄氏(東京都職員・環境省地球温暖化対策技術開発評価委員)の講演をお聞きしました。

 世界各地で起きている洪水・干ばつなど被害をスライド見て、改めてCO2による地球温暖化に対する取り組みの重要性を再認識させられましたし、谷口氏は、世界で先進的に進められている例を交え、これからの自然エネルギー対策の主力は、地域に住む個人や地域産業と結びついた取り組みをすすめることが重要だと強調し、結論として「地域から再生可能エネルギーの推進をすすめるチャンスが来た」と結びました。

 谷口氏は、いままでの事業では、東京の人が事業を経営し、そこで生まれた利益は地元に還元されない事例も多くあるが、地域で再生可能エネルギー事業を起こすうえで、大事なこととして、「地域再生可能エネルギー事業」の3基準(①地域の人が事業の全体あるいは大部分を担っている。②地域団体が事業の議決権を持っている。③社会的、経済的利益の大部分が地域に分配される)を示し、3基準のうち2つ以上の基準を満たす事業を地域再生可能エネルギー事業とするような「条例」を自治体が作ることが重要ではないかと問題提起。なるほどと感心させられました。

 では。

 

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関電社長の記者会見~再稼働できれば「節電緩和」

 ゛政府は、関西地区を含む「節電目標」を発表し、四国は7%以上、関西地域は15%以上と大幅目標となりました。一方「計画停電」は、万一にそなえて準備はするが、基本的には実施しない方向だと説明。また、政府の節電目標に対し、関電社長は記者会見で「再稼働で節電緩和できる」と述べています。

 政府と電力会社の出来レース?

 しかし、ニュースステーションでも、電力が足らなければ、「計画停電」を実施すべきで、安全優先すべき「再稼働」と「節電緩和」は別ものなのに、一緒に議論するのはおかしいと批判。

 再稼働の環境づくりのような政府の節電目標設定と、関電社長が記者会見で、大飯原発の再稼働ができれば、節電は大幅に緩和できる、再稼働に最大限努力したいという発言。私には、何か政府と電力会社の出来レースのように感じられました。

  いっときますが、私は「節電」必要なしなどと考えているわけではありません。「節電・省エネ」社会の推進派です。 では。

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゛消費税゛増税「審議」始まりましたが、今日本の経済は~

 衆院消費増税関連特別委員会の審議が17日から始まりました。国民の約6割が増税反対という中、野田佳彦首相は「先送りできない課題で、何としても与野党で成立させたい」と強調しています。

 しかし、いま日本の経済状態で消費税増税が可能でしょうか。内閣府が発表した2012年1~3月期の国内総生産(GDP)の1次速報は、実質前期比(10~12月期)1.0%増で、個人消費が増えたといってもエコカー補助金復活による自動車販売の好調によるものにすぎません。労働者の給与などを含む雇用者報酬(名目値)はこの10年間で266兆円から244兆円と22兆円も落ち込んでいます。バブル崩壊・リーマンショックで受けた経済危機のしわ寄せが回復しないまま現在に至っており、家計最終消費支出も10年間で約5兆円落ち込んでいます。

 国民の所得は増えない、そして失業者、非正規雇用の増大と貧困と格差はますます広がり、生活保護受給者は209万人を超え、行政の支援も受けられないまま命を奪われる孤独死の問題も全国で表面化している日本。そして震災被災地の生活は、より深刻です。

 こうした状況下での消費税増税は、まさに「暴挙」と言って過言ではありません。

 今朝のマスコミは、「逆進性」の緩和のあり方を焦点にして、消費税問題を取り上げていましたが、消費税に頼らない社会保障再生と財政再建の道を提言する、日本共産党の政策について、ぜひ、取材してほしいものです。テレビの視聴率上がること請け合いです。

 では。

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「新町西再開発」動き出し始めたけれど~

 5月7日徳島市の新町西再開発事業に関連し、計画区の周辺住民を対象にした「説明会」が開かれました。徳島新聞報道(5/8)によると、説明会には約40人が参加。質疑では事業に批判的意見が目立ち「商業施設が少ない。音芸ホール中心の計画で、地域が活性化するとは思えない」「防災対策が必要な時期に巨額の税金を使うのは納得できない」などの意見が出された。とのことです。

 一方、原秀樹徳島市長は、市長選挙で3選を果たした3月26日、徳島市問屋町の事務所で記者会見し、読売報道によると、「8年間やってきたことが評価された。」と表情を引き締め、3期目の優先施策として新町西地区再開発事業を挙げ、「4年前も反対派の2人に勝って、今回も勝てた。」「進めていいという市民の意思表示だと思うので、今まで通り推進していく」と強調した。といいます。そして、どうも言葉通り、計画案の縦覧、公聴会の開催と着々と準備に入っているようです。

 開発周辺の住民説明会で、「8対1対1」が話題に~

 新町西再開発の目的は、中心市街地の活性化、そしてにぎわいを取り戻すということでしたが、「活性化」「にぎわい」の二文字は消え、中心市街地の「再生」という文字に変わりました。それは、再開発事業の目的の変質で許されないことと思いますが、推進する側でさえ「活性化・にぎわい」の二文字が使えないという事実は、現実の再開発の実態が如実に反映されたものと思われます。

 再開発で、活用される施設・スペースの80%は音楽芸術ホールのスペースで、商業施設は10%、住居部分10% と市当局の説明に、「再開発というが、これでは音芸ホール建設の公共事業だ。」との声が上がりました。

 もともと、音芸ホールの建設用地として元動物園跡地があるにもかかわらず、わざわざ新町西地区の土地を購入しようという計画に他ならないという批判。そして、東日本の大震災復興の最中、百数十億もの税金を投入するより、徳島市文化センターの耐震・リニューアルで節約し、防災対策を強化すべきというのは、市民の「正論」ではないでしょうか。選挙で2回勝ったから~というのは、市民の真の声が聞こえているとは到底思えません。原市長に再考を促す「運動」が必要なようですね。  では。

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素朴な疑問「原発ゼロで停電しない理由」~その答えは? 

 5月5日、こどもの日にすべての原発が停止となりました。考えてみると全国に54基(福島1~4含む)もの原発があり、これらがすべて停止しているにもかかわらず、『停電』しない日本の電力事情はどうなっているのか、素朴な疑問がわいてきませんか?

 朝日新聞(5/17・9面)「教えて電気料金⑨」発電所作り続ける理由という記事にその答えを垣間見ることができます。

 そもそも、余っていた電力供給力 

 福島原発事故前の2010年度、国内のすべての発電所が発電できる電力は合わせて約22億8500万kwだった。しかし、この年度で猛暑だった夏のピーク時に使われた電力(年間最大電力使用量)は約17億7800万kwだった。つまり、発電能力は2割以上も余った。

  こんなに余っているのに、電力会社がなぜ、原発を含む発電所建設を進めてきたかについて、こう指摘しています。

 普通企業が工場を建てるとき、そこで作った商品がどれだけ売れるか、価格が落ちる心配がないか、など慎重に検討するだろう。見通しが外れれば、工場の建設費が無駄になって大きな損につながる。しかし、発電所は違う。将来の見通しがはずれ発電所が使われず、建設費が無駄になっても、電気料金から回収できる。電気料金を決める「総括原価方式」では、建設費の費用を積み上げたうえで、もうけを上乗せできるからだ。電力会社の懐は痛まない。今の「総括原価方式」が続く限り電力会社が本当に必要かどうかを突き詰めなくても発電所を建設できる。実際は電気が余っているのもかかわらず電力業界は、ピーク時に必要な電力が10年度からの10年間は毎年0.2%~1.5%のペースで伸びるという見通しを挙げて建設を進め、その建設費は結局すべて電気料金に上乗せできるからだとしてしています。

 原発の安全神話と「総括原価方式」という衣が剥げ落ちた今、電力会社の経営姿勢をさらに厳しく問う必要がありそうですね。そして幸か不幸か、今その「余った電力供給力」のおかげで、原発ゼロが可能となっているというわけです。 では。

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