最近しんぶん赤旗日刊紙1面に「私と赤旗」と題する連載記事が掲載されています。いろいろな方が赤旗との出会い、赤旗の魅力を語る囲み連載記事ですが、読んでなるほどと改めて感心させられています。2/1の今日は、「赤旗」創刊83周年。今日の新聞に掲載された「今宮謙二さん(中央大学名誉教授)」が語る「私と赤旗」をご紹介します。
いまみや・けんじ 1929年東京都生まれ。慶応大学経済学部卒業後、第一銀行(現みずほ銀行)勤務。67年退職し大学教員に。中央大学名誉教授。商学博士
日本と世界に指針示す
初めて「赤旗」を手にしたのは慶応大学予科に入学した1947年ごろでした。自宅近くの東京・目黒駅前で共産党の人が街頭演説をしていて、そこで売っていたのを買いました。これが侵略戦争に唯一反対した党、天皇制権力に命がけでたたかった党の機関紙かと非常に感激しました。
48年春ごろから継続的に購読するようになりました。以来、銀行員、研究者の時期を通して半世紀以上読み続けています。
弾圧のため「赤旗」をとるのに今では考えられない苦労をした時期がありました。50年代、銀行員のころ、職場近くで共産党の本を置いている民主的な本屋さんにとりに行く事にしました。ところがそこは公安調査庁に見張られていて、私の家まで見張られました。
銀行の仕事は非常に忙しい。その上、労働組合の活動をしていて、勉強もしなければならない。忙しすぎて自暴自棄になりそうだったとき「赤旗」に勇気づけられました。「赤旗」は正しいことを伝えるだけでなく、生きる力、勇気を与えてくれる新聞です。
経済学、金融論を中心に研究している立場から「赤旗」の特徴を挙げるといっぱいあります。現象を追うだけでなく本質を解明する。最近の世界的恐慌危機の中で投機資本主義の実態も鋭く解明するという点はほかの新聞にまねできません。「赤旗」をスクラップにしていると国際金融の比重が増えたと感じます。
「赤旗」は大企業の問題もタブーにしません。大企業の社会的責任を鋭く追及する。特に内部留保の問題は「赤旗」が追求したことで一般紙も取り上げるようになりました。
世界情勢の流れについて的確な指摘があります。そして日本の未来社会がどうあるべきかについて明確な指針を示しています。
今、多くの国民が政治に絶望しています。民主党政権になっても何も変らない。自民党もダメ。それと並んで五大新聞が翼賛化してきました。国民の絶望感、閉塞感に沿いながらひとつの考え方へ導こうという危険な方向があるのではないでしょうか。そういう中で「赤旗」には国民に対する責任があると思います。日本の社会を変える指針を明らかにしている「赤旗」を国民の間にもっと広める責任です。ますます努力されるよう期待します。
以上です。では。