橋下大阪市長率いる維新の会の国政進出にマスコミの関心が高まっています。道州制や首相公選制、参議院廃止など「維新八策」を発表し話題を振りまきながら国政進出をうかがう維新の会ですが、維新の会に同調する政治的動きの中で、いよいよ「橋下維新」の正体が見えはじめました。
その最たるものの一つが「憲法九条」改正です。
2月26日の朝日新聞に「九条改正議論維新の公約に(橋下市長)」の記事が載りましたが、わたしが驚いたのは橋下氏のこの主張です。
「国民が九条を維持して自己犠牲はしないことを選ぶなら、そういう国でやっていけばいい。それなら僕はこの国と別のところに住もうと思う」とまでいうのです。
橋下氏の言う「自己犠牲」とは何んなのか?
軍隊をもち祖国防衛を厭わない自己犠牲を発揮する若者のことでしょうか。橋下氏の「自己犠牲」論の先には徴兵制までも視野に入っているのでしょうか。
「(九条を変えないなら)僕は別の国に住む」という橋下氏、彼特有のあくの強い言い回しで済まされません。
憲法をめぐる意見は過去も現在もそしてまた未来でもいろいろあるでしょう。意見の違いは違いとして互いに話し合いつつ民主的な立場で解決することが当然求められます。
しかし、彼のこの「別の国に住む」というこの言動は、「議論する必要は無い」という風に聞こえます。改正するかしないか、勝か負けるかという力の論理と自分と意見の違う他者への微塵の配慮もありません。
彼もわたしも、自由に住むところを選ぶ権利はあります。嫌なら国を捨てることも自由でしょう。しかし私たちは既に憲法九条の元で65年以上この国で住み、戦争することもなく、今日の平和と繁栄を享受してきたのです。橋下氏は子沢山で知られていますが、彼も彼の子どもさんも九条の恩恵を受けて今日があるのではないでしょうか。
折りしも自民党の憲法改正推進本部が、「自衛軍」「天皇元首」などの「憲法原案」なるものを発表しました。憲法九条が国政の一大争点になる気配です。
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