東林院(四国八十八ヶ所奥の院・鳴門市大麻町)に「平和の火」の建設計画がすすんでいます。
非核の政府を求める徳島の会は、楡木令子さんに「平和の火」のモニュメントの制作を依頼していましたが、このほど図案がきまり、来年八月吉日をめざして、設置・建設募金の準備に入りました。
「平和の火」の由来は~
1945年8月6日午前8時15分。広島の上空で炸裂した原爆の火は、一瞬にして幾千万の命を奪い広島の町を焼き尽くしました。半月後、爆心地より500メートル圏内にあった革屋町の金正堂書店の地下倉倉庫で未だ燻ぶりつづけていた火をカイロ灰に移し、唯一の叔父の形見として、福岡県八女郡星野村に持ち帰った人がおりました。故山本達雄さんという方です。以来、山本さんは23年間肉親の供養と怨念の「火」として「消してなるものか」と灯し続けてきましたが、歳月とともにいつしか怨念は消え「報復は報復を招く、平和を願えば平和の時代が来る」と考えるようになりました。1968年8月6日。星野村がこの火を引き継ぎ、今日まで「平和の火」として灯し続けているものです。
非核の政府を求める徳島の会は、「平和の火」を分火していただき、20年前から毎年「原爆の火」のつどいを8月6日におこなってきましたが、「平和の火」と改め、それにふさわしいモニュメントの建設計画を準備していました。いよいよ、来年は「平和の火」記念碑の実現の年となりそうです。
ちなみに、募金の目標は150万円・設置場所は、東林院です。
モニュメント制作 楡木令子さんのプロフィール
1995年国立ベルリン美術大学彫刻学科修士課程終了・1998年より徳島を拠点に、阿波和紙、再生紙を使った作品を県内外で発表・海外のアーティストの文化交流企画も手がけている。