2年前、自公政権に代わる民主党中心の政権交代に、新しい時代を感じた方は多いのではないでしょうか。「政権交代」をスローガンに、格差是正を掲げた民主党の目玉公約に「労働者派遣法」の改正という公約がありました。
大企業の製造現場で、雇用の調整弁として使い捨てされる低賃金労働者の大部分が「労働者派遣法」の名の下に働く青年労働者で、東京の公園に大量のくびを切られた労働者が年越しが出来ずにボランティア支援を受けるテント村が出現し、「労働者派遣村」として大きな社会問題として取り上げられました。徳島県内でも光洋シーリングテクノや日亜化学で違法派遣が横行し、私は当時、徳島労連の議長として直接雇用を求める闘いの先頭にも立ってきました。
また、日本共産党は、雇用は「正社員が当たり前」という原則を確立することを求め、労働者派遣法を抜本的に改正し、特に、登録型派遣禁止、製造業への労働者派遣の禁止などで、本来必要な労働力は企業が「直接雇用し責任を持つ」を義務付ける法改正を要求してきました。
非人間的な違法派遣の横行が社会問題となり、規制を求める世論と運動の高まりの中で、民主党中心の政権(民主、社民、国民新党)は、2010年4月に労働者派遣法改正案を国会に提出していましたが、今朝16日の報道によると民主党は11月15日製造業務派遣と登録型派遣の「原則禁止」事項を削除するなど大幅修正することを自民・公明両党と合意し、同改正案は、ほぼ完全に骨抜きされています。
後期高齢者医療制度の廃止・労働者派遣法の改正は、「政権交代」の目玉公約でしたが、これらを支持し民主党に一票を投じた方はいずれも完全に裏切られてしまったのではないでしょうか。