徳島市議会 第一回議員定数検討協議会開かれる

 午前10時から正午過ぎまで、各会派から2名選出と座長・副座長の16名の構成による「議員定数検討協議会」が開かれました。第一回目の協議会では、各会派ごとに議員定数に関する意見を表明する場となり、座長・副座長を除く全員が発言しました。

各会派の主な立場・意見は~(見田が傍聴参加し要約しました。)

市政同志会~現在34の定数を10減し24とすること。その理由として、四国県都の人口と議員定数を比較し、徳島市が高松、松山、高知市と比べて議員一人当たりに対し人口が少ないこと。40万都市をめざす中核都市構想を想定した徳島市の議員数として人口一万人に一人程度が望ましいと考えているなどと述べました。

朋友会~なぜ?この時期に定数議論なのか?選挙がすんだばかりで3年先の議論でいいのではないか。単なるコスト論で定数を考えるのはいかがなものか。市民の中にある定数を減らせとの意見について、議会の活動が見えていないことが問題で、議会の機能はどうかという問題。他都市と比べてみたが人口・面積による議員数は平均以下となっている。議会は多様な声が反映され、市政をチェックする役割があり、常任委員会で議論ができる定数を研究すべき。

公明党~党として34から30に4減すること、議員報酬の10%、政務調査費の50%削減を提案する。定数30は、小学校区に対応した定数の考え方。有識者などの協議会を設置し総合的、慎重にすること。せっそく急激な判断はだめだと思うが議会改革の検討は必要。

日本共産党~この協議会に先立って、定数削減の提案検討が行なわれました。いま定数削減の必然性があるのか。議会には多様な市民の意識・意見を吸い上げる役割があり、市民の多様な声ををくみ上げる選択の幅を狭めては為らない。削減提案の方々は議員・議会の存在意義をどのように考えているのか、過小に評価しているのではないか。定数削減と投票率を振り返ってみてみると、定数削減のたびに投票率が顕著に下がっている。昭和50年から60年時代は定数44で、投票率は77.41%あったが、平成3年改定の定数40人で、60.83%、平成15年の定数38では、53.72%、平成19年の改定で34となったが、今年の投票率は44.95%で、定数削減のたびに10%も投票率が落ち込んできた。定数削減が市民の多様な声の反映を妨げているのではないか。今回の地方自治法の改正による議員定数の上限の撤廃は、「議会の自由度を拡大する」ことを目的としている。議会の自由度の拡大とは、議員定数を減らすことではなく、住民の意思が十分に議会に反映されることではないか。24年間の私の議会活動の中で、徳島市議会は、『海洋パーク』『互助会事件』『第十堰』など住民の意思を生かす活動を続けてきたと思う。議員定数は減らすべきでは無い。

創生会~定数削減は、多くの自治体では財政状況の悪い自治体で検討実施されている。徳島市の場合はどうか。現在、議会にかかる費用は0.8%、市財政規模の945億円のうちの6千万円で、10人削減は根拠に乏しい。かつて定数を削減した経緯があるが、そのことが徳島市の改革にどのようにつながったのか検討評価してみる必要がある。定数削減問題は行財政改革全体の中で検討すべき。徳島市の定数は県内の他都市との比較でも定数が多くないと感じている。新人議員が12名誕生しているが、これらの議員が市政を知った上で検討すべきではないのか。個人(美馬)としては、仮に削減しても2名減が妥当な線ではないか。

民主市民クラブ~議会改革、行財政改革と合わせて進めるべきだ。定数減はやむを得ないかなという思いはあるが二元代表制を踏まえて議会改革をすべき。4月に当選して半年でなぜ削減案か違和感がある。議員は市民と市政の「審判員」と認識している。二元代表制としての意味を考える必要がある。

みんなの党~選挙で10減を公約してきた。定数を24とするよう提案する。横浜市は4万人に一人の議員の定数で、横浜に出来て徳島市で出来ないはずは無い。なぜ、今なのか?という質問があったが「今やからやらなければ為らない」と思っている。住民はサービスを受けるだけではなりたたない。コミュニティーの役割が大事になっている。連帯を密にしながら。少数精鋭の議会を作るべきで、人口密度から算出すると1万人に1人でよい。30年先をみこした議会改革をすべきだ。

 以上各会派から意見表明が行なわれましたが、定数10減を提案した2会派の提案理由は、主に四国県都との定数比較論、中核都市構想の中での議会コスト削減論、市民の定数削減世論などを根拠にあげています。これに対して、他の会派からは、市民の批判に答えるためには議会改革は必要だが、コスト論からの定数削減は本質を見誤る。定数削減はむしろ議会が市民の期待に応えるものと為らないのではないか。多様な声、二元代表制の役割を果たす議会改革が必要。また、徳島市の財政状況から10減の必要があるのか。選挙後間もない今なぜ今議論なのかなどの議論の時期の妥当性への疑問も出されました。

 協議会は、引き続き議論がなされていきますが、次回の日程は調整中となりました。

 私は、定数削減に反対です。この主の議論で議員自ら「身を削って」などといって、いかにも国民の声に耳を傾けるかのようなポーズを示しつつ、市民に無駄な大型公共事業の推進や全国一高い国保料の負担など悪政を押し付ける「目くらまし」にされてはならないこと。少数精鋭などと耳障りの良い定数削減が、結局市民の声、とりわけ弱者の声の反映を阻害することにつながるからです。

この協議会での議論、引き続き注視していきたいと思います。

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