少子化対策~根本原因にメスをいれて

 出生率1.39 再び上昇の見出しで、6月2日の徳島新聞の一面に掲載されました。女性一人が生涯に生む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率が厚労省の人口動態統計で、2010年度は1.39だったという報道で、徳島県は全国平均を上回る1.40(徳島10年ぶり)で、県・子ども未来課は「乳幼児医療費女性や子育て総合支援センターの開設など、少子化対策の効果が出てきている」としているなどと報道されました。

 出生率が上昇に転じたことは、好ましいことですが、厚労省は引き続き「人口減少は続く」としており、この程度の上昇で、少子化対策が功を奏したとは到底いえないと思います。

 私は、6月議会でも取り上げたいと思っていますが、少子化の根源は、「労働環境」の悪化だと思っています。派遣などに象徴される不安定雇用・低賃金、そして、長時間労働は、青年の結婚への夢を奪い、子どもを生み育てるという楽しみや喜びを奪っています。内閣府の「子ども2010版」の就労形態別配偶者のいる割合・つまり、正規社員と非正規社員の男性で、配偶者(妻)のいる割合を調査したところ、20歳~24歳・25歳~29歳・30歳~34歳のどの年代も非正規社員は正社員の半分しか配偶者がいないという結果が出ています。

 つまり、非正規労働者の結婚率は正社員の半分なのです。また、正社員でも賃金が安く、残業が常態化しています。働く男女ともくたくたで、職場と家を往復する毎日の繰り返し、その上、子ともの将来を考え、大学までの進学をとなると、子育ては一人がやっと、二人三人などと社会に求められても無理というほかありません。

 私は、少子化対策の柱に、①不安定雇用から安定した雇用、②安心して子育てできる賃金保障、③私的な時間が楽しめる労働時間の短縮など、労働環境の改善が必要で、またその回りを支える保育所や子育て支援などのさまざまなきめ細かい施策が求められていると思っています。

 今の少子化対策、根本の労働環境の改善が欠落していると思うのですが~どうでしょうか。

では。

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