今日2月28日の朝日新聞の社説。『外国人看護師 「人の開国」に向け改革を』 を読んで、TPPへの異常な肩入れに驚きました。
社説の論者は、こういいます。
『看護師の労働実態は厳しい日本看護協会によると、病院で働き始めた看護職の9% が一年以内に職場を去っていく。夜勤が多く、過労が医療事故につながらないか心配だ。』と指摘する一方で、看護職不足を見越して、インドネシアとの経済連携協定(EPA)に日本の看護師不足を解消する一助にするという目的を加え、外国人看護師を受け入れの「改革」を進めるべきだと主張する。社説の末尾は「菅直人首相は平成の開国をうたっている。看護や介護といったケア人材についても、開国に向けた改革へと踏み出すべきだ」とTPPの促進を強く求めるのです。
この社説の論者は、看護師不足が看護師の過酷な医療実態に在るとの認識を述べながら、なぜ看護師の過酷な労働環境を改善する改革には目が行かず、外国からの看護労働力確保にしか目がいかないのでしょうか。論者は、欧米では看護師獲得競争が起きているなとどいい、社説の目は、国民への医療をどのように考え、医療や看護・介護の現場をどのように改善するかではなく、まさに、如何に安く看護労働力を外国からいち早く得るのか、というところに焦点があてられています。
「人の開国」に向け改革をとの朝日新聞の社説の見出しは、大量に安い外国人労働力を早く確保せよ。というまさに財界の要求そのものです。TPPの正体が農業分野にかぎらず、「労働」の規制緩和でもあるということを図らずも知らしめたということと、日本の大手マスメディアのスタンスが極めて財界に近いということを改めて知らしめる結果となりました。
では。