国民健康保険(国保)の保険料(税)を払いきれず滞納した人の「財産」を容赦なく差し押さえる動きが全国の自治体で広がっているといいます。2月7日のしんぶん赤旗(日刊)に「国保料差し押さえ倍増」との記事が載りました。
09年度に全国で実施された差し押さえの件数は18万2583世帯にのぼり、06年度に比べほぼ倍増です。
日本の医療は国民皆保険制度でなりたっています。だから国民は、協会健保・組合健保・共済健保・国保などいずれかの「健康保険」に入ることが義務付けられています。そのなかで、国保は、現役から離れた年金者や無職の方など、憲法25条「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という、社会保障としてのセーフティーネットを前提とした保険です。
目の前に、飢えた家族がいて、食べ物か国保かと選択を迫られれば、誰でも食べるほうを選ぶでしょう。国保料の支払いか子どもの大学の入学金かの選択を迫られれば、あなたはどちらを選ぶでしょう。
長引く不況の中で、徳島市の国保料は、年所得200万円・40歳代4人家族で50万円と7千円です。所得の25%もの国保料。滞納が出ても決しておかしくはありません。
なぜ、このように高すぎる国保料になるのか。国がもともと50%出していた国庫負担を25% に削減したからです。
私は、医療や教育は、経済力に関係なく国民等しく享受できる社会が必要だと思っています。ルールある市場主義、競争もありです。しかし、教育・医療は、誰もが平等に競争のスタートラインにつく土台でしょう。誰もが等しく高等教育を受けることが出来、経済力の有無にかかわらず自らの知恵や力を発揮しすることが出来ることが競争の土台です。また、人間は誰もが死を免れず病気も然りです。
国保の滞納問題では、私は一生懸命苦しくても払っている。払わない人に差し押さえもやむを得ない。という方のご意見・声も聞きます。厳しい生活を切り詰めて払っている方からすれば当然のご意見です。
しかし私は、厳しいくらしを切り詰めて国保料を支払っている方と、やむを得ず国保料を滞納している方と、共同団結していただき、ご一緒に国の責任・自治体の責任を追求したいと思っています。なぜなら、国民どうし対立させることで、国は、国の責任を50% から 25% と減らし免れてきたのですから。
では。