軍事対抗へ大転換~「動的防衛力」をどう見る。

 18日付けしんぶん赤旗の一面トップは17日管民主党政権が閣議決定した「新防衛大綱」です。

 政府は、これまでの日本防衛を建前とした「基盤的防衛力構想」をあらため「動的防衛力」の構築へ方針の大転換しました。

 新「大綱」は、中国への対抗を意識し、南西諸島へのあらたな部隊配備や潜水艦部隊の増強を打ち出し、「動的防衛力」については各種事態に対し、より実効的な抑止と対処をとするものと説明。機動力と即応性をより高めることを重視し、アジア太平洋地域さらにはは地球規模での自衛隊の展開を想定しています。また、国際平和協力活動により積極的に取り組むと述べ海外派兵の推進を表明しそのためにPKO参加5原則の検討をうたいました。そして、あらゆる面で「日米協力」の充実を図るとし、沖縄新基地建設を含む在日米軍再編合意の着実な実施、「思いやり予算」の積極推進を約束。米国の「核抑止」も不可欠としました。政府は同日「中期防衛力整備計画」も閣議決定し、今後5年間で総額23兆4900億円の軍事力整備をすすめることとなります。

 新防衛大綱の閣議決定にたいし、17日、日本共産党市田書記局長が談話を発表。

 「自衛隊の装備・運用と制度の両面で自民党政権時代にも打ち出しえなかったきわめて危険な道に踏み込むもので、許すわけには行かない」 と批判しました。

 18日付け朝日新聞は社説で、冒頭こう述べました。

 政権交代後初めての防衛計画の大綱が閣議で決定された。中国の軍事動向への警戒感を色濃くにじませるとともに、脅威には軍事力で対応するというメッセージを前面に打ち出した。東アジアの情勢は不安定さを増しつつあるとはいえ「脅威に直接対抗しない」としてきた抑制的な路線から、脅威対応型へとかじを切った意味合いは重大である。中国を刺激して地域の緊張を高める恐れががあるばかりか、「専守防衛」という平和理念そのものへの疑念を世界に抱かせかねない。新大綱は単なる計画文書ではない。日本が発信する重い政治的メッセージと、国際社会は受け止めるだろう。そのことへの鋭い意識が管政権にどれだけあったのか、疑わざるを得ない。~と。

 「新防衛大綱」の閣議決定によって、民主党政権に憲法九条を生かす平和外交を期待することは、いよいよ幻想であったことが白日の下にさらされたということでしょうか。

 「軍事には軍事を」の思考では、軍拡以外にすすむ道はありません。「軍事緊張には、九条の平和力を」、この道へすすむ政権の実現。日本共産党の躍進なしに、ないのかもしれませんね。

 では。

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