公共放送・問われる「NHK」の在り方~安倍首相の露骨な人事案に批判の声

11月8日の衆参両院本会議にかけられる5人のNHK経営委員会委員の人事案。
5人の顔ぶれは、百田尚樹氏(作家)・長谷川三千代氏(哲学者)・本田勝彦氏(日本たばこ産業顧問)・中島尚正氏(海陽学園海陽中等教育学校長)・石原進(JR九州会長=再任)です。肩書を拝見すれば、いずれも立派な方々のようですが、

 しんぶん赤旗(11/7)報道によると~
 百田氏は、ブログで憲法9条への揶揄を繰り返し、雑誌の対談で安倍首相と「意気投合」。長谷川氏は、右翼・改憲団体「日本会議」の代表を務め、昨年の自民党総裁選で「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発起人に、百田氏とともに名前をつらねています。本田氏は、安倍首相の小学生時代に家庭教師を務めた深い間柄。中島氏の学園も安倍首相に近い財界人の肝いりで作られました。再任の石原氏は、昨年の総選挙時に「原発推進」を繰り返し訴え批判を浴びた人物といいます。

 管官房長官は、記者会見で「(首相が)信頼する方にお願いするのは当然」だと述べ、安倍首相のお友達を据えたことをあけすけに語っています。

 しかし、NHK経営委員は、視聴者の代表として公共放送の生命線である「公正・公平」を、時の権力から守る役割を担っています。
 安倍首相のこの人事、「安倍首相のNHKへの介入につながる人事」だとして、ジャーナリストや学者、市民団体から撤回を求める声が上がっていると、しんぶん赤旗が指摘しています。

 ちなみに、放送倫理基本綱領 (平成8年9月19日制定)は以下の通りです。   

日本放送協会と日本民間放送連盟は、各放送局の放送基準の根本にある理念を確認し、放送に期待されている使命を達成する決意を新たにするために、この放送倫理基本綱領を定めた。
 放送は、その活動を通じて、福祉の増進、文化の向上、教育・教養の進展、産業・経済の繁栄に役立ち、平和な社会の実現に寄与することを使命とする。
 放送は、民主主義の精神にのっとり、放送の公共性を重んじ、法と秩序を守り、基本的人権を尊重し、国民の知る権利に応えて、言論・表現の自由を守る。

 放送は、いまや国民にとって最も身近なメディアであり、その社会的影響力はきわめて大きい。われわれは、このことを自覚し、放送が国民生活、とりわけ児童・青少年および家庭に与える影響を考慮して、新しい世代の育成に貢献するとともに、社会生活に役立つ情報と健全な娯楽を提供し、国民の生活を豊かにするようつとめる。

 放送は、意見の分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにし、公正を保持しなければならない。
 放送は、適正な言葉と映像を用いると同時に、品位ある表現を心掛けるようつとめる。また、万一、誤った表現があった場合、過ちをあらためることを恐れてはならない。

 報道は、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るために最善の努力を傾けなければならない。放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる。

 さらに、民間放送の場合は、その経営基盤を支える広告の内容が、真実を伝え、視聴者に役立つものであるように細心の注意をはらうことも、民間放送の視聴者に対する重要な責務である。

 放送に携わるすべての人々が、この放送倫理基本綱領を尊重し、遵守することによってはじめて、放送は、その使命を達成するとともに、視聴者・国民に信頼され、かつ愛されることになると確信する。

 では。

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