9月8日付、朝日新聞5面『波聞風問』(原真人編集委員)ですが、 これほど、子どもたちをだしに使った消費税増税論、そして、反増税派批判をみたことがありません。
‘君の手の爪か、足の爪、どちらかをこれからペンチではぐ。どちらをはぐかは君が選べる。さあ、どうする?,
「未来人材育成塾」の授業風景を持ち出して、そういう苦渋選択を国民に受け入れてもらえるよう説得する。それが政治の役割だと、中学生に訴える若き政治家(小泉進次郎)の言葉を、生徒たちは「印象的だった」と好意的に受け止めたなどと大賛辞を送るのですから。
ここには、今の財政危機をつくった張本人である歴代自民党政権への批判は微塵もなく、 ‘消費税に頼らない, 財政再建と社会保障拡充への道は完全に無視されています。
なぜ消費税に頼らない道は、検討すらされず無視されるのか?
それは、消費税に頼らない道が、彼らにとっていばら道だからです。
指の爪をはぐか足の爪をはぐか、というたとえ話でいうなら、消費税に頼らない道は、財界の足の爪をはぐということになり財界の激しい抵抗にあうことでしょう。
財界の足の爪を剥がすより、国民の指の爪を剥がす方が、容易なのです。
原真人編集委員はいいます。
‘今のままの財政でずっと続けられるわけがないことは誰も知っている。私たちが享受している医療や年金根安全などの行政サービスの財源はその半分を借金で賄っているのだ。いわば、子どもたちやこれから生まれてくる世代へのつけ回しである, と。
それなら、史上空前の内部留保を抱える大企業・財界に、「足の爪をばがすべきだ」と言うべきではないでしょうか。
「子どもたちの未来に財政のつけ回しはしたくない」
これだけ取れば、私もそう思うひとりです。
消費税増税の中止を求めることが、子どもたちへの負担を押し付けるかのような論法はやめていただきたいものです。