自民党・維新の会・みんなの党が改正に意欲を見せる「憲法96条」とは、憲法改正に必要な発議の議員数を衆参とも3分の2としている規定を過半数に緩めようというものですが、そもそも、憲法は権力を縛るもので、国民の大多数が求めてはじめて『改正』がなされなければならないものです。「戦争を放棄する」と決めた憲法9条、自衛隊を国防軍にという自民党ですが、新聞各紙の世論調査の結果は、改正反対が約6割近くを占めていて、改正の発議を緩和する「96条」に改正の糸口を求めているようですが、憲法改正論者からも96条改正に反対の声が上がるなどかえって墓穴を掘っているのではないでしょうか。
今上映中の映画・リンカーンですが、奴隷制廃止をめざすアメリカ大統領と下院議会との攻防を描いています。アメリカ合衆国の憲法改正には、上院と下院それぞれ3分の2の賛成が必要なうえに、全州議会の4分の3以上の賛成がなければなりません。
権力を縛る「憲法」を、ときの権力者が改正要件緩和とは、安倍首相は憲法のなんたるかを知らないのではないかとの批判は、あながち的外れではないでしょう。
では。