「日本のミカタ」・渡辺治一橋大学名誉教授が講演を聞いて

8月18日あわぎんホールで、渡辺治氏の講演会がありました。

 講演のテーマは「日本のミカタ~人は幸せになる権利がある!」です。「ミカタ」とは、どう書くの?なぜカタカナなのか?なんていう疑問はともかくとして、渡辺氏は、すでに自民党化した民主党政権の総括に意味があるのかという方があるかもしれないが、と前置きして、自民党から民主党への政権交代は、国民の反「新自由主義」のたたかいの大きな成果であり、ここに民主党政権の総括の意味があると強調しました。

 もともと民主党は、政権党の自民党が進める新自由主義=小泉構造改革を競い合う政治路線だったが、自公政権の大企業の本位の構造改革・規制緩和の推進で広がる格差と貧困に国民の大きな不満が広がる中で、「政権交代」のために、構造改革を競い合う政治路線から、国民の要求を背景に自民党に対抗する政策転換をはかったこと。

 ここに、国民の要求と闘いが政権交代の大本にあることに確信を持つ必要があると述べ、政権交代を実現した国民の具体的闘いとして、全国に7千か所にも広がった九条の会や労働者派遣法の抜本改正をめざす全労連と連合の共闘、後期高齢者医療制度廃止を求める民主・共産・社民などの野党共闘などを挙げました。

 民主党政権は、鳩・菅・野田と変わり、結局、国民の期待を裏切り、財界・大企業本位の新自由主義路線に引き戻されているが、政治は変えられるという確信と、この「政権交代」をさらに教訓にして進むことが大切だと述べました。

 また、民主党がダメとなり、自民党にも戻れない中で、橋下・維新の会への期待の広がりについて、橋下・維新の会の政策・政治路線を知らずに期待している人がたくさんいる。維新の会は、自民・民主以上に大企業擁護の新自由主義の政治路線をすすめようというもので、格差や貧困の是正、雇用や生活の向上を求める国民の期待に背反する政治に向かう危険を指摘しました。

 そして、これからの政治的闘いの在り方として、、安保を解消したら、対中国・北朝鮮問題をどうするのかとか、消費税の増税反対なら、財源をどうするのか、など、単に反対というだけでなく、対案を示して運動を進めることが必要で、消費税に頼らない改革案を共産党さんが示したことは、その一つのあらわれとして評価したい。と語りました。

約一時間半の講演と、あと高校生の質問に答える時間もあり、二時間たっぷり渡辺氏の話に耳を傾けました。渡辺氏は1947年生まれ、私と同じ65歳。団塊の世代が政治的リーダーとして頑張るべきだとの指摘にそのとおりと心の中で拍手を送りました。

では。

カテゴリー: 見た・聞いた パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です