オスプレイの安全性を問う!~しんぶん赤旗特派員が米レックス・リボロ元主任分析官に聞く

7月13日しんぶん赤旗(日刊)の4面に、「命の軽視と警告」と題して、米国分析研究所(IDA)でオスプレイの性能、安全性などについて分析してきたレックス・リボロ元主任分析官へのインタビュー(聞き手=ワシントン・小林俊哉)が掲載されました。全文を転載します。

~ オスプレイの日本配備にあたって、安全性、特に自動回転(オートローテーション)機能の問題が言われているが。

リボロ氏 MV22の自動回転機能は、これまで実証されてこなかった。実証のための試みもされていない。危険すぎると考えられたからだ。

 そもそも自動回転機能とは。

リボロ氏  降下の際に生ずる空気の流れで回転翼が回り、安全に着陸する機能のことだ。すべての民間ヘリは、FAA(連邦航空局)によって、この機能を実証するよう要求されている。

 日本政府は、オスプレイに自動回転機能があるというが、それは事実ではないのか。

リボロ氏 真実ではない。私が思うに、日本政府が信じている内容は、海兵隊が彼らに言っている内容だろう。両方のエンジンが故障しても、固定翼モードであるなら緊急着陸できる、と。もし、エンジンがペリコプターモードのときに故障したら、固定翼モードへの変更はできない。だから着陸もできない。海兵隊は正直に、要は、600m以下の高度でエンジンが故障すれば、操縦不能となり、死亡事故につながると言うべきだ。こうした事故の可能性自体は、沖縄での(戦闘作戦ではない)『平時』の環境では非常にまれだというのが私の見解ではあるが。

 専門家として、沖縄の住民が持つ懸念は理解できるか。

リボロ氏 イエスだ。もし、私が沖縄住民だったら、海兵隊が真実を話し、日本政府がが真実を話し、全部知ることができれば、私も市民として判断できる。もし彼らがウソをつくなら、もう彼らを信頼できない。これが、沖縄で起きていることだろう。人々が真実をようゅうするのは当然だ。

 国防分析研究所でオスプレイの分析に携わり、さまざまな懸念を表明してきたが。

リボロ氏 私の懸念は戦闘環境におけるものだが、最初にそれを表明したのは1999年だ。その後、2000年にも墜落事例があった。私は、当時の上司に長いメモを書き、基本的に、この航空機には非常に深刻な問題があると指摘した。彼らはそれをレビュー(検討)したが、その際は、それは確かに問題だろうと同意するが、この航空機には軍事面での効用がある、だからOKだというものだった。

 あなたは2009年の米議会での証言で、オスプレイは商業用には使えない基準の代物で、それを軍用で使うのは、兵士の命への軽視だと警告したが。

リボロ氏 いまでもそう思っている。操縦士は、自動回転機能が欠如していると認識すれば、飛行の際にそのリスクに備える。しかし、その操縦士が運ぶ他の要員などはどうなるのか。軍は常にFAAの基準に準拠してきたが、オスプレイは、軍がこの基準に従わないといった最初のケースだ。民間の世界がしようとしないことを、どうして軍の世界がしようとするということになるのか。

以上、インタビューの詳報です。まさに、未亡人製造機の異名をとるオスプレイの実態が、米国の元国防分析官の口から赤裸々に語られています。欠陥機の配備を強行する米国。安保によって拒否できないという日本政府。ならば、理不尽な安保をやめて、配備拒否するしか道はありません。

安保が、「日本国民の安全のためにあるのではない」ということをこれほど鮮明にしているものはないでしょう。  では。

 

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