四国電力の伊方原発2号機(56万2千kW)が定期検査にはいり、既に検査で停止している3号機(11年4月29日停止)・1号機(11年9月4日停止)とあわせ、これで伊方原発全基停止となりました。
今朝の徳島新聞報道(2面)によると,原発全基停止に備え、阿南火力発電所2号機の再稼動などで、昨冬最大需要の520万kWを2.1%上回る531万kWの供給力を確保したという。
この際、四国電力供給力の内訳を見ておきたいと思います。
なぜなら、原発3機の発電供給力は202万kWで、四国電力の年間供給電力の4割を占めていたといい、阿南火力2号機はわずか22万kWですから、原発にかわる電力供給力をどのように確保したかという点を見ておかないと、この先、「原発なし」で四国の電力の確保は大丈夫か?という問題が生ずるからです。
四国電力の発電能力は~
原発を除く四国電力の発電能力は~火力4箇所で350万㌔㍗・水力58箇所114万1千㌔㍗・太陽光、風力2箇所6百㌔㍗となっています。合わせて464万1千㌔㍗ですが、これに今回計画停止していた阿南火力2号機22万㌔㍗がプラスされて、486万1千㌔㍗ということでしょうか。しかし、新聞報道で531万㌔㍗を確保した。としていますから、約50万㌔㍗を他で調達したということでしょう。
四国にある四国電力以外の発電能力は~364万㌔㍗
電源開発の火力発電210万㌔㍗・水力23万㌔㍗・土佐火力発電16.7万㌔㍗・住友共同電力の火力85万㌔㍗、水力6万㌔㍗・県営水力11.5万㌔㍗・風力(公営・民間)12.3万㌔㍗です。
新聞には、四国電力がどのように電力を調達したのか?内訳は報道されていませんので、くわしくはわかりませんが、四国電力外の電力を調達したのは多分間違いないと思います。
電力の問題は、発電能力のほか、稼働率・利用率などで実際の供給実績は変わってきますが、原発の稼働中は、原発の利用率(79.6%)は高く、火力(56.4%)や水力(26.6%)の利用率は低く抑えてきていました。とりあえず、原発ゼロで四国の電力供給は大丈夫だということが、四国全体の発電能力からいえると思いますが、火力はCO2の問題を抱えていますので早急に「再生可能エネルギーへの転換」が求められています。
原発はひとたび過酷事故(放射能事故)を引き起こせば、取り返しがききません。伊方原発全基停止を機会に、「原発ゼロ」のスタートにしたいものです。