徳島新聞夕刊に見る~安全神話の形成がどのように進められたか?

徳島新聞9月5日付夕刊の二面。「日本を創る」シリーズ5・原発と国家~「電力」の覇権との記事が掲載されています。

記事によると~   1970年当時東京電力が、東大工学部で放射線防護学を研究する助手の安斎育郎氏(現・立命館大名誉教授)に、『悪いけどアメリカに3年くらい留学してくれないか。費用は全部持つ』東京電力の社員が安斎育郎の切り出した。からはじまる、なまなましい東電の反原発研究者への「懐柔工作」の実態から記事は書き出しています。

 1972年日本学術会議のシンポで「日本の原発開発は安全性確保の面で多くの問題を抱える。明確に反対の立場に立たざるを得ない」と基調講演した安斎氏。安斎氏によると東電には「安斎番」と呼ばれる社員がおり、講演会に来ては内容を録音して社に報告。研究室の隣席に東電出身の研究者が座り「僕の役割は安斎さんが何をやるか情報収集すること」と明かした。原発の危険性を訴えた研究者を排除しようとする一方、東電は寄付などの形で大学に資金を投じるとのべ、電力会社は、教科書作成の現場にも働きかけられ、原発批判につながる記述、表現に細かく注文をつけたと報道しています。

原発に批判的学者を排除し、寄付金などで御用学者を育成し、教科書にまで手を回す電力会社。徳島新聞の夕刊はあまり読むところがないなぁなんて、思っていましたが、久々に読み応えのある記事に思わず切り抜いてしまいました。

では。

カテゴリー: 見た・聞いた パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です