8日に出発、9日視察、10日帰途。やっぱり岩手県は遠かった。9日、葛巻(くずまき)高原牧場で、日向信二葛巻町農林環境課環境エネルギー主任主事と面会。葛巻町の概況と「新エネプロジェクト」・風力発電、バイオマスタウン構想、家畜ふん尿を活用するバイオマスプロジェクト、木質バイオマスの利活用などについて説明を受け、その後、各施設を見学してきました。
説明では、風力、バイオマスなどで5400万KW/hの発電に対し、葛巻町の使用量は3400~ 3500万KWということですので、町の使用電力の160%の発電量ということですが、発電主力の風力発電(90%)は、二社の民間株式会社が運営し、全量が東北電力への売電ということで、町へは現在3千万円の固定資産税の税収が入るのみとなっていました。
バイオマスタウン構想では、1万1千頭の牛の蓄糞の利活用と木質チップ・ペレットの活用施設があり、町の基本産業を活かした発電と熱利用構想ということでした。「バイオ」は設備費とランニングコストを勘案するとまだ採算ラインには届きませんが、先進例として評価できるのではないでしょうか。
葛巻町の場合、風力・ちく糞・木質、いずれにしても町の産業・自然環境をに早くから目をつけ活かすという点で、町長がリーダーシップをとった事例ではないでしょうか。
私自身が、視察に期待していたのは、「持続できる自然エネルギーの確保のあり方」として先進の事例として訪問したつもりだったのですが、現状は程遠い実態でした。しかし、葛巻町を通していろいろな課題があることがわかり、有意義な視察となりました。