日本共産党市議団の見田治です。市議団を代表し令和3年度徳島市一般会計補正予算に対する反対討論を行います。
令和3年度第3回徳島市議会定例会議案第53号、令和3年度徳島市一般会計補正予算中、「UIJターン保育士応援事業」1千万円の債務負担行為について反対です。また、議案第54号令和3年度徳島市職員給与支払い特別会計補正予算(第1号)広報専門人材の採用についての9百2万8千円についても反対です。以下反対の理由を述べます。
まず、UIJターン保育士応援事業の債務負担行為1千万円ですが、そもそもこの事業のはじまりは、「入所保留者」や待機児童解消を目指すためには保育士の確保が絶対条件だとの考えのもとで、UIJターンの名称にあるとおり、Uターン、Iターン、Jターンを促すため、県外から徳島市への移住を促し、移住支援一時金20万円とプラス応援一時金30万円、合わせて50万円等を支給するもので、これにより県外から20人の保育士を確保するとの目標を掲げ、内藤市政における保育士確保の目玉事業として行われた事業です。しかしながら、令和3年度の応募件数は現在わずか1件のみで、UIJ保育士応援事業は、20人の確保を目標とした保育士確保目標と大きくかけ離れたものとなりました。なぜ応募が1件にとどまったのか、本来、保育士確保の目玉事業である以上厳しく問われなければなりません。わが党議員団が指摘してきましたが、県内他業種と比べても給与水準が低く、他府県と比べて低い保育士給与水準の中では、一時的な支援・応援では県外から徳島市に移住してまで保育士の仕事に従事しようとはならず、目標の保育士確保にはつながらないことは明らかでした。日本共産党徳島市議団は、千葉県船橋市の事例なども挙げましたが、保育士確保に必要な根本策は、給与の抜本的な引き上げ、家賃補助制度の創設、研修費用の上乗せ負担など、私立保育園等で働くすべての保育士の処遇改善にあります。保育士確保の基本策を放置したまま、事業効果が見られない、反省なきUIJターン保育士応援事業を漫然と続けることは、財政の有効性、効果性からも許されません。
続いて、広報専門人材の採用について反対理由を述べます。広報専門人材の採用目的は、市長が目指す徳島市の将来像「わくわく実感!水都とくしま」のまちづくり推進することを目的として、広報活動の充実・強化に取り組むため特に高度で専門的な知識・経験を有する人材を採用するとし、職務の内容からも徳島市の重要な課題に関する戦略的な情報発信についての提案や助言をすることや映像情報コンテンツ等の関連事業者との新たな連携に向けた関係の構築をはかるなど徳島市の戦略的企画にかかわる重要な役割を担う人材の採用と位置づけされてます。しかし、その人材確保のスケジュールは、6月下旬公募開始、7月中旬選考試験実施、7月下旬以降採用者決定・採用とされ、極めて簡易なスケジュール(予定)が示されたのみです。此のたびの採用人事は、徳島市一般職の任期付き職員の採用に関する条例により、任命権者、即ち市長の裁量によって、採用を求めるものですが、本市の重要課題にかかわり高度な専門性を発揮し、高額の報酬で雇用する以上、採用にあたっては、公募の基準、選考基準などしっかりとした採用のありかたを事前に定める必要があるのではないでしょうか。このたび示された「広報専門人材の採用」につていの採用対応は、公募・選考試験をするとしていますが、その中身は明示されず、任命権者の恣意的な採用人事にもつながりかねないものであり、このような採用人事は認められません。以上、反対討論といたします。