「九条の会徳島」第12回総会~記念講演「アジア太平洋戦争に対する日本の責任・パール判決書の実像に迫る」は大変勉強になりました。

3月11日徳島中央公民館に約80名が出席し、9条の会徳島第12回総会と記念講演会が開かれました。総会では、西部9条の会、人権平和センター、徳島労連、民医連9条の会、弁護士9条の会からの報告され、拍手で活動方針を確認しました。また、吉成務事務局長からバトンを受け上地大三郎氏(弁護士)が新事務局長として就任することとなりました。
麻生多門教育大学大学院准教授による記念講演は、極東国際軍事裁判いわゆる東京裁判で被告人全員の無罪を説いたインド人裁判官・ラーダビノード・パール判事による「パール判決書」の内容についてページを示しくわしく説明していただきました。
麻生氏は、講演に先立ってなぜ講演のテーマに「パール判決書の実像に迫る」としたかについて、アジア太平洋戦争で日本が起こした侵略戦争を自存自衛の戦争で欧米列強によるアジアの全植民地化を防いだ正義の戦争であった、南京虐殺はなかった等という論拠に、「パール判決書の一部分を都合よく切り取り」利用されていることを上げ、その嘘をパール判決書から明確にすることと述べ、講演資料に「判決書」のページ番号を記載したのは、後でパール判決書をぜひ読んでほしいからと前置きし講演されました。
そして、パール裁判官は、「罪刑法定主義原則・事後法の禁止」の立場に立っていること。従って、東京裁判において、ポツダム宣言発表時(1945年7月)当時の国際法で未確立であった「平和に対する罪」「侵略戦争の計画、準備、開始もしくは遂行又はこれらの各行為のいずれかの達成を目的とした共通の計画もしくは共同謀議への参加」については、「事後法の禁止」によって処罰の対象にするべきではないという立場で無罪判決したものだが、張作霖爆殺事件、柳条湖事件、日米開戦、南京虐殺についての判決書内容を示し、パールは日本の満州国肯定などしていないこと。南京虐殺についても、パールがA級戦犯を無罪とした理由について、パールは「証拠に対して悪く言うことのできる事柄をすべてを考慮に入れても、南京における日本軍の行動は凶暴であり、残虐はほぼ3週間にわたって惨烈なものであり、合計6週間にわたって続いて深刻であったことは疑いない」と、南京虐殺について「鬼畜のような性格」と断罪しており、南京虐殺はなかったとしているのではなく、残虐事件はあくまでも現場レベルの判断で行われたもので、当事者(残虐行為を現場指示したもの)は既にB級、C級戦犯とて処刑されていたとする見地からの判断であったことなど、判決書の内容を詳しく説明していただきました。
約一時間の講演は、あっと言うまでしたが私の知らなかった内容が多く、大いに勉強させていただきました。

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