ロシアのメドベージェフ大統領をはじめロシア高官がさいさい「北方領土」を訪問。メドベージェフ大統領は9日、北方領土を含む千島列島を「わが国の戦略的地域だ」と述べ、現地での軍備増強を指示しました。大統領は、千島列島が「ロシアの不可分の領土」と強調し、新聞は、大統領の発言は日本の北方領土返還要求に応じない姿勢を改めて表明したものだと報じています。
2/10徳島新聞の「読者の手紙」に、「北方領土2島返還でも国益」という読者の手紙が載りました。読者の主は、プーチンが、「4島返還にこだわるなら、2島返還も難しくなる」との発言をひき、今となっては2島だけでもいい、このままでは2島返還も不可能になるだろうといいます。
そもそも「北方領土」問題は、サンフランシスコ講和条約で、領土不可侵という戦後処理の大原則にそむいて、当時ソ連が侵攻していた千島列島を日本が放棄するとしたことが発端です。講和条約後日本は、国後・択捉・歯舞・色丹の4島は、北海道の一部で放棄した千島には含まれないと主張しますが、択捉・国後の2島は南千島と呼ばれており千島列島を放棄したとした上での4島返還の日本の主張には国際的道理という点で無理があります。プーチンの2島返還論、読者の手紙の2島返還論は、千島放棄を是認した上で、歯舞・色丹は北海道の一部であって放棄した千島には当たらないということが根拠になっていると思われます。
日本共産党は、そもそもサンフランシスコ条約の千島放棄条項が問題で、この条項を破棄し、領土不可侵という戦後処理の大原則に立ち返って全千島の返還を求めること国際的にも道理ある、この立場で交渉してこそ解決の道が開けると、政府にこの立場に立ってロシアと交渉するよう求めています。
「領土問題」戦争力では解決できません。国際的に道理ある外交力が求められる時代です。
では。