1/12付け、しんぶん赤旗(日刊)は一面トップで、生命保険不払い事件に関し、「処分前に罰則緩和」の見出し記事を発表しました。
まず、不払い事件をめぐる動きの概要ですが~~
2005年
- 2月 明治安田生命の不払い発覚
2007年
- 2/1 金融庁が生保各社に保険業法第128条による調査と報告を命令。
- 4/13 生保38社が結果を報告。大手・中堅12社で約267億円の不払い判明。
- 5/18 衆院財務金融委員会で、齋藤勝利生保協会会長(第一生命社長)参考人招致(政界工作による時間短縮疑惑あり)
- 10/5 第一生命などが金融庁に追加報告。同社ホームページに「第一生命はお支払いできる可能性のあるご契約を漏れなく抽出しました。」と掲載。
2008年
- 6/25 第一生命が不払い調査で数万件を除外したとの報道。
- 7/3 金融庁が生保10社に業務改善命令。
2009年
- 8/18 総選挙告示。第一生命の渡辺専務が選挙行脚。
2010年
- 3/19 共産党の大門参議院議員・衆院佐々木議員が不払い隠しで質問・追及
- 3/28 第一生命が2万件以上の不払い隠しとの報道。
- 4/1 第一生命が株式会社化、渡辺氏が新社長に
- 7/16 渡辺氏が協会長に就任
- 11/29 第一生命が最大で6000件の不払いを公表。
赤旗の報道は、以上不払い問題の一連の動きのなかで、金融庁が08年7/3におこなった生保10社への「業務改善命令」という処分が、その前年の07年3月に損害保険6社を「業務停止処分」に比べ極めて軽い処分が行なわれた点です。
赤旗報道によると、赤旗が入手した文書として「生命保険会社の支払い漏れ等に係る行政上の対応について」と題した金融庁の「決済参考」という文書で、金融庁が業務改善命令の検討材料にしたもので、処分のためにどのような検討をしたかが書かれており、業務改善に留める理由として、「各社の自主的な業務改善に向けた組織の状況等を軽減事由として十分考慮した」と明記されています。
07年に損保6社に業務停止処分するなど「不払い」に厳罰で臨んでいた金融庁、生保各社の不払いは規模の大きさからいっても厳しい対応が予想されていました。ところが、生保処分が近づいた08年4/18金融庁は行政処分の運用を見直し、「自主的な対応を的確に行なっている場合は、軽減事由として考慮する」という文言を加えたのです。
この基準の変更に当たって、金融庁は生命保険協会などの金融関係の業界団体と意見交換会を実施、との報道もされています。
ちなみに、時期の金融担当大臣は、みんなの党の渡辺喜美代表、副大臣は、自民党の山本明彦元衆議院議員とのことです。
政治と業界の醜い癒着の告発、やはり赤旗がダントツに優れているように思います。
では。