終戦68年~戦争を知らない世代と侵略への反省無き政府

 アジアで2千万人、日本で310万人と言われる命を奪ったアジア・太平洋戦争。そして私も含めて戦争を知らない世代が約一億人(人口の8割)の現代。安倍晋三首相が、「侵略の定義は定まっていない」などと発言し、戦後68年経って、かっての日本の植民地支配と侵略の誤りを認めたくない勢力が台頭し、過去の植民地支配と侵略戦争の誤りを否定しようとする動きが急ピッチで強まっています。
 侵略の定義ですが~
1974年12月の国連総会で採択された「侵略の定義に関する決議」~
『侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合憲とし両立しないその他の方法による武力の行使』 とされており、「侵略の定義はない」という安倍首相の発言は国民を欺く以外の何物でもありません。
 そして、この定義に照らせば、日本が行った戦争が侵略戦争で合ったことは疑問の余地がありません。
 具体的な歴史事実は~
1910年朝鮮を植民地化し、中国東北部(満州)に「権益」を認めさせた日本は1931年、満州駐屯の日本軍による鉄道線路爆破を中国側の仕業だとして満州を侵略、傀儡国家をでっち上げました。いわゆる満州事変です。1937年には、北京郊外での日中両軍の衝突(盧溝橋事件)を機に大軍を派兵し中国への全面的な侵略戦争を開始しました。
 日本は、さらに、軍需資源確保などを目的に北部フランス領インドシナに侵攻するとともに、ドイツ、イタリアと軍事同盟(日独伊三国同盟)を結び、これに反発するアメリカ、イギリスとの対立が激化し、日本軍の中国撤兵などを求めるアメリカとの交渉が行き詰まると、1941年英領マレー、ハワイ真珠湾を奇襲攻撃し戦火をアジア太平洋全域に拡大しました。選挙区は当初、日本軍優位に進みましたが、まもなく逆転。日本は1945年8月15日、日本の戦争を「世界征服の挙」に出たものと断じた連合国のポツダム宣言を受け入れて無条件降伏となりました。
 靖国参拝問題ですが~
 世界は、安倍首相をはじめ閣僚らの靖国神社参拝に厳しい目を注いでいます。4月に麻生太郎副総裁らが靖国神社に参拝、安倍首相も真榊を奉納した時は、日韓外相会談や日中友好議員連盟の訪中が中止となっいます。安倍氏は、「どんな脅しにも屈しない」「英霊に対し尊祟の念を表明するのは当たり前」と居直っています。
 問題は靖国神社がどんな存在かということです。靖国神社は過去の日本の侵略戦争を「自存自衛の正しいたたかいだった」「アジア解放の戦争だった」と丸ごと美化し宣伝することを神社存在の理由としている特殊な施設です。首相や閣僚の参拝・奉納は、侵略戦争を肯定する立場に自らの身を置くことであり、戦後の日本の平和と相容れない、絶対に許されない行為だということを見ておかなければならないでしょう。
 では。

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