しんぶん赤旗(4/17日刊)10面の、『毎月10万円借りて返済総額646万円』に目がとまりました。記事は、全国の弁護士、司法書士、研究者らが集まり、「奨学金問題対策全国会議」が設立され、設立集会での基調講演・実態報告の紹介です。
基調講演は「教育における格差と貧困~奨学金問題から考える」(大内裕和中京大教授)と題して行われ、『第2奨学金を毎月10万円借りると4年間で総額は480万円。利率が3%の場合、返還総額は645万9510円で、返還年数20年・月返還額2万6914円で、「返せなくなったら年利10%の延滞金が発生」。返済金は延滞金、利息分、最後に元本の順に充当され、元本を減らすことが困難になる。日本学生支援機構の奨学金は、学生を借金漬けにする「金融事業」になっている。』と指摘しています。
異常な学費上昇そして、親の減収~奨学金受ける学生が5割超える
また、大内氏は、1969年、19歳の大学一年生の場合、初年度納付金は、国立大で1万6千円、私立大で約22万円でした。それが2010年には、国立大で約82万円、私立大文系で約120万円、同理科系で約150万円と学費の異常な上昇の一方で、1997年をピークに親の世帯収入は減り続け、学費、仕送りの負担は困難になり、大学学部(昼間)で奨学金を受ける学生の割合は今5割を突破しているといいます。
現状報告から~
「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育を進める会」の事務局次長の岡村稔氏は、『日本には「給付」という本来の奨学金がない。日本学生支援機構の奨学金は「教育」事業から「金融」事業に変質させられた。公費負担が削減され、財源構成は、民間資金70%、奨学金返済26%、国4%になっている。』と発言し、延滞者情報を個人信用情報機関に登録しブラックリスト化して延滞債権の回収を債権回収会社に委託するなどの問題点を指摘しています。
「大学卒業の4割が正規雇用に突けない。奨学金を返したくても返せない人にペナルティーを科すのは間違っている」日本政府は昨年9月、国際人権規約の「中等教育・高等教育の段階的な無償化」を定めた条項の留保を撤回。岡村氏は、日本は教育無償化を進める国になると約束しました。みんなでつながり、教育は無償に、奨学金は給付制に。教育・貧困・労働・社会全体の在り方を問い直す運動にしてこうと呼びかけました。
以上、しんぶん赤旗記事からいだきましたが、この呼びかけ「大賛成」です。
では。