4月2日、安倍首相は第6回日本経済再生本部(安倍首相・本部長)で当面の雇用制度「改革」について、①失業なき円滑な労働移動②民間人材紹介サービスの最大限活用③多様な正社員の確立などについて具体化するよう厚生労働大臣に指示しました。
政府助成金を~雇用維持する企業からリストラ請負会社へ
「失業なき」労働移動などというネーミング(棒線)が、「いかにも」という感じですが、これまで雇用の安定を図るために、雇用を維持した企業に対し雇用調整助成金が支払われていましたが、それを廃止します。そして、成熟産業から成長産業へ労働者を移動させるため、民間アウトプレースメント会社(リストラ請負会社)等に費用に税金を使います。
そして、「民間人材紹介サービス」の活用とは~
ハローワークのもつ求人情報や助成金を民間に開放し、企業が行う転職支援などに労働保険財源をあてるといいます。
多様な「正社員」とは~
正社員か非正社員化という二極化でなく、職種や地域、労働時間などを限定して、この範囲内での「正社員」というものです。つまり、職種・地域、労働時間などを限定した「解雇あり」を前提の「限定」正社員ということです。このような限定つき「正社員」が誕生すれば、ある地域に企業(工場・事業所)が進出して、そこで雇用した「正社員」はその地域の工場や事業所が不要となり企業が撤退すれば、地域限定「正社員」は有無を言わさず容易に解雇できることとなります。
その他~ホワイトカラーエクゼンプションの導入も~
他方、無限定の「正社員」には、労働時間の規制を払い、「残業代ゼロ」という「ホワイトカラーエクゼンプション」の導入する考えです。
安倍政権の労働政策が進められると、雇用の安定どころか、国を挙げてリストラを促進し、不安定雇用をつくり出すために税金が使われるわけですから、まさに労働者にとっては踏んだり蹴ったりということですね。 では。