2月3日朝日新聞4面に、「政治断簡」との論評が掲載されています。
通常国会が始まり、安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問を聞いた。やや驚かされる場面があった。戦時中の従軍慰安婦にかんする首相の答弁である。論評はこう切り出します。
そして、安倍氏としては、思い切った言いぶりではなかったか。従軍慰安婦の「筆舌に尽くしがたい、つらい思い」に触れる答弁を引き出したのは、共産党の志位和夫委員長である。
なぜ、朝日の編集委員が「やや驚いた」のか。いうまでもなく、安倍晋三氏が昨年の自民党総裁選で、「河野談話」を見直すといい、「この不名誉を孫の代まで背負わせるわけにはいかない。なぜなら、軍が女性を強制的に連れていって慰安婦にした証拠資料はないから」と軍が関与した従軍慰安婦の存在を安倍氏が真っ向から否定してきた人物だからです。
「断簡」とは、きれぎれになった書きもの(広辞苑)との意味だそうです。大手メディアには、めったに登場しない「共産党」ですが、オール自民党化した政局のもとで、朝日の編集委員にも「きらり」と光るものが見えたというところでしょうか。
では。