沖縄県読谷村で、夜間外出禁止令を出している中、米兵の住居侵入・傷害事件が起きました。米軍の「綱紀粛正」の空々しさに言葉もありませんが、
11月1日付の読者の手紙に掲載された「米兵の事件なせ゛大きく報道」(徳島市、匿名希望、47歳、公務員)の意見は、注目に値するでしょう。
47歳の公務員を名乗る方の主張の前提は、~
日本人が起こす凶悪事件と同列に米兵の強姦事件を見るべきだとの主張には正直驚きました。しかし、この方の主張の確信は、末尾近くにある「アメリカ軍が沖縄に駐留してくれなければ中国に侵略されるかも知れない」と述べているように、限りなく駐留米軍に感謝しているところにあるのではないでしょうか。
米軍なしで、日本は国際的に「生きていけない」のでしょうか~
まずはじめに、米軍の日本駐留は、自国(アメリカ)の利権のためであって、日本を守るためでもなんでもないということを知っておかなければなりません。米ソ冷戦時代、アメリカは、日本を反共の防波堤として、いみじくも中曽根元首相が言った「日本列島・不沈空母」の役割を担わされました。
そしてソ連が崩壊し、冷戦構造がなくなれば、~
「日本の防衛は日米安保により米国が担っていると考える日本人が今なお存在するが、在日米軍基地は日本防衛のためにあるのではなく、米国中心の世界秩序(平和)の維持存続のためにあり」と、09年2月に陸上自衛隊の幕僚長を務めた冨澤睴氏が述べていますが、これが正直本当のところでしょう。
なぜ?アメリカと価値観が同じでなければいけないの、いつも同じはずはないでしょう。
自民党、そして民主党が、よく言う言葉に「日米同盟が基軸」「価値観を同じくするアメリカ」という言葉がありますが、何故なのか?アメリカの「世界秩序(平和)の維持存続のためにあり」という価値観をいつも一緒、いやアメリカに価値観を合わせておかないと、実は日米安保の根本矛盾になることを恐れているからではないでしょうか。ですから、アフガニスタン、イラク侵略についても、日本は、いち早く「アメリカ支持」を表明し、価値観を一緒にしたのです。TPPへの参加もここに根っこがあります。
しかし世界は今、アメリカ一国支配から脱却し、対等平等の「非同盟」諸国が世界の多数派となりつつあります。中国、インド、ブラジルなど発展途上国といわれた国々が世界経済の中心を担い、中南米・東アジア・ユーロ圏など、それぞれの国の価値観で自由な交易が活発に行われています。日本だけが、いつでも、どこでも「アメリカ」さまさまなのはまったくおかしな話です。このことを日本共産党は、二つの異常のひとつ「アメリカ言いなり」の異常と厳しく批判しています。
日本が安保の呪縛から解き放たれて、憲法9条をもつ平和国家として、その理想を高く掲げて、自立・平和国家の道を進むならば、大きな経済力・技術力を持つ日本は、アジアの平和と進歩の中心的な存在として大きな役割を果たすことになるのではないでしょうか。無論、中国・韓国・北朝鮮との平和的友好関係も大きく改善されるはずです。
世界のどこに、米兵に守ってもらう国があるでしょうか。
今、沖縄で起きている問題は、安保の是非を鋭く問いかけているのです。
尖閣諸島問題に対する、日本共産党の見解を、主にしんぶん赤旗の報道から「外交的解決を」と私がブログにのせましたが、ある投稿者から、『「中国」と領土紛争を認めて領土交渉になった場合、国際法を無視して行動する中共と話し合いになるのか相手は聞く耳を持つのか心配です見解をおききしたい。』との質問が寄せられましたが、中国を敵対国として見るのではなく、隣国として「外交と道理」で解決するこの姿勢を日本が貫くことこそ求められているものと思います。
では。