徳島市公営企業会計・決算審査特別委員会終わる~6事業を全員一致で認定。

 10月3日から5日まで、中央卸売市場事業会計・商業観光施設事業会計・土地造成事業会計・旅客自動車運送(市バス)事業会計・市民病院事業会計・水道事業会計の6事業会計について、日本共産党市議団から見田が審査委員として出席し決算審査を行った結果、審査委員全員一致で「認定」しました。

各事業会計に対する、私からの要望等総括意見は次の通りです。

中央卸売市場事業会計について

食の安心・安全問題について、特に、放射性物質による汚染対策について、現在のところ国と県の安全対策に依拠しているところですが、青果については、産地の限定や県の一部産品の抜き取り検査などで一定の対応はできると思いますが、県の放射能汚染測定の状況についても市民への周知をしていただくこと。また、これから心配されるのは、長期にわたる「海洋汚染」の広がりではないかと思います。特に回遊魚は、獲れた場所や陸揚げされた港がどこであれ、放射性汚染への検査は、欠かせなくなるのではないでしょぅか。「回遊魚」等に対して、どの時点で検査体制を敷くかという問題はあるかと思いますが、中央卸売市場を経由する「回遊魚」への放射能汚染に関する検査体制について必要な措置を講じていただきたい。さらに地震津波対策について、市場で働く方々への警報等、早期避難を促すとのことでしたが、そのことと併せて、避難訓練の実施・避難場所の確保についても講じていただくよう求めたいと思います。

商業観光施設事業会計について

 索道事業(ロープウェイ)会計ですが、利用料金収入および事業にかかる管理運営経費と委託料という3者の関係が、会計処理上表れないという問題点があるのではないでしょうか。結果的には、料金収入や管理経費は、指定管理者に責任を丸投げしているとの印象をもちましたが、索道事業は、眉山と阿波踊り会館、また市内観光の拠点としての役割があり、観光資源の総合的な観点からも決算審査が行えるよう、現行の会計処理方法が止むを得ないものというなら、付属資料の添付(管理経費・料金収入の見積もりや決算状況)など必要な手立てを講じていただきたい

土地造成事業会計について

 すでに、8割が売却済みで、賃貸及び未処分地の実務処理だけの「企業会計」となっており、企業会計として独立して特別に処理する必要性は既にないものと思われます。切りの好いところで、会計の清算と一般会計への移行を求めます。

旅客自動車運送(市バス)事業会計について

 平成23年から26年にかけての、移行期で、今後の推移を見ていきたいと思います。ただ、公共交通としてのバス事業の全般を考えれば、交通局から市部局(地域交通課)への役割分担とその連携が重要となることは明らかで、その際何よりも、高齢化や低炭素社会など、地域と住民の要求の把握が必要かと思います。引き続き、市民の足として公共交通の一層の充実に尽くしていただくことを要望しておきます。

市民病院事業会計について

 政府の低医療費政策の下で、病院経営は厳しいものがあると認識していますが、市民の誰もが安心して等しく利用できる、市民病院という「公的な」役割をしっかりと果たしていただくことが大事だと思っています。そのうえで、差額ベットの運用実態をお聞きしましたが、医師の判断によって医療上必要な個室の提供にあたっては、減免措置を前提とした運用となるよう求めておきます。また、7対1看護体制に関わって看護師の非正規雇用について、労働と処遇の実態をお聞きしましたが、労働の面では、まったく正規と同様の仕事をされていながら、待遇の面では、手当や退職金で著しく差が設けられており、同じ職場で同じ専門職、同じ仕事をこなしながら、正規か非正規かという入職の仕方によって、このような差別をおこなうことは、民主的な集団医療を前提とする職場にそぐわないのではないでしょうか。早期に改善を図られるよう要望します。さらに、病院経営全体を見て、DPCが90%実施や7対1看護、その他可能な認定病院機能を取得し、まだ、改善の余地として、ベッドの利用率の改善等もあるかと思いますが、全体的に見てこれからの医療収入のアップについて相当厳しいものがあると思います。そのような中、消費税の引き上げが病院経営に与える影響は相当なものがあり、それらを考慮した経営方針が必要なことを意見として申し上げます。私は市民病院事業の上からも消費税増税反対をしていきたいと思います。

水道事業会計について

 まず鉛管給水管の解消対策の一層の促進を要望します。将来の水道事業について、現状の収支状況の推移から「損益分岐点」はいつごろかとお聞きしたところ、「言いづらい」との答弁がありましたが、これは、いずれ水道事業の赤字対策の時期がくるという認識に他なりません。共産党市議団としては、来るべき赤字が生じた場合の対策として、中川委員への答弁で、徳島市の水道料金は全国平均に比べて比較的「安い」方との認識がしめされましたが、料金の値上げによるのではなく、一般会計からの繰り入れなどで対応されるよう意見を申し述べておきます。徳島市はの水道料金の安さは、ひとえに吉野川の恩恵に恵まれているところに負うもので、全国比較で安いから「水道料金の引き上げ」という論理にはならないものと考えます。地方財政法第6条による一般会計からの繰り入れなどの対応が求められることを申し上げ、総括質疑とします。

 以上の意見・要望を述べ、6事業すべてについて「認定」としました。他の会派委員からは、「全員一致」による認定が、初めてではないか、など驚きの声もありましたが、もとより日本共産党市議団は反対のための反対をしているわけではなく、認定にあたって、市民にとって必要な事業がより市民本位に推進されるよう質疑と審査を行った結果として「認定」の可否をしていることを改めて申し上げておきたいと思います。

 では。

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