徳島労連が最低賃金引き上げと中小企業支援拡充を求める意見書提出

 7月26日、徳島県労働組合総連合(徳島労連)は、徳島地方最低賃金審議会委員へ、「震災からの復興、生活再建、ワーキング・プア根絶と景気回復のために」として、11項目からなる最低賃金の引き上げと中小企業支援の拡充を求める意見書を提出しました。

 第1は、賃金デフレが誘導するデフレ経済を座視しているのは日本だけだと指摘し不況克服のために最低賃金の底上げを求めています。

 第2は、「被災地の復興・生活再建に役立つ最低賃金に」として、被災地の労働力不足の原因に「低賃金問題」かあることを指摘し、「待遇をよくしたいが、改修に伴う費用を考えると体力的余裕がない」(河北新報)の高齢者向けのグループホーム運営会社社長の談を紹介し、なすべきことは低賃金の放置、最低賃金の改定抑制ではなく、復興向けた政策的投資を使って賃金の底上げを可能とすることだといいます。

 第3は、地域からの労働者の流出に歯止めを・地域間格差の是正のために全国一律最低賃金制の確立を求めています。

 第4には、憲法や労働基準法、最低賃金法に沿った真っ当な最低賃金にと述べ、働いても暮らしが成り立たない雇用は、法の主旨から認めていないはずとしたうえで、強制力のある、法定最低賃金によって低賃金を引き上げなければ、今の多くの経営者は賃金改善をしないと指摘して、労基法第一条にいう、「人たるに値する生活を営むための必要を充たすべき」賃金であり、「健康で文化的な最低限度の生活」を保証する賃金の実現に向けた最低賃金の審議を行うべきだとしています。

 第5には、生活保護と最低賃金との整合性をはかるにあたり、合理的な計算方法の採用を求めるとして、①所定内労働時間の見直し(150時間)②公課負担の補正について③住宅扶助は実績値ではなく、運用基準の適用を④各県の最高給地の適用と各種加算の加えること⑤勤労控除制度を加えることなど五項目について計算の見直しを求めています。

 第6は政労使で確認した「雇用戦略対話合意」の実践を求めるとして、かつて政労使が「800円~1000円」で雇用戦略対話合意の早期達成を図れと述べ、雇用戦略対話合意では2020年という期限を設定しているが、800円の目標を達成するだけでも毎年17円の引き上げが必要だと指摘しています。

 そのほか、男女の均等待遇の実現や最低賃金の引き上げと中小企業支援、最低賃金の底上げでTPP対策を、など最低賃金の審議にあたって、これらを十分に審議されるよう、徳島労連としての意見を提出したものです。

 今日の四国放送では、徳島労連が最低賃金引き上げを要望との見出しでテレビ報道がなされていました。徳島労連のたたかいと、最低賃金審議会の答申に注目ですね。では。

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