どうなる鳴門病院の「公的」存続

 28日、徳島県は独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)から鳴門病院を買取りました。報道によると、徳島県が買い取ったものの「県立」ではなく「地方独立行政法人」として存続させるといいます。
 鳴門病院院長の荒瀬誠治氏は病院の紹介挨拶で次のように述べています。
「平成20年、鳴門病院をはじめ全国の社会保険病院は独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)に放出され、存続基盤を無くし、根なし草となりました。このような病院群の受け皿として23年6月に新しく独立行政法人地域医療機能推進機構への改組が発表されましたが、新機構の組織形態、移行時期、当院が新機構へ移行できるかどうか、等は未だに何もわかっていません。そのような中、平成23年秋に徳島県から鳴門病院譲渡の申入れがなされました。私達は公的病院としての存続基盤が保障されることが鳴門病院の役割を果たす上で最も重要と考え、県の意向をありがたく受け入れました。」~中略~「私達は徳島県と一緒になり、今まで以上に地域医療を充実させてゆきます。これまでに行政機関の病院から各種法人への移行例はありますが、公益法人所管の病院が行政機関(県)へ移行した例はほとんど無く、行程は楽な道ではないと思います。しかしながら鳴門病院は泣く泣く嫁にもらわれてゆく娘ではなく、嫁ぎ先を自ら選んだ自主性に富む独立心旺盛な娘です。何があっても「地域医療の充実」という目標からぶれないよう、また健保鳴門病院60年の歴史の中で先人らが作り上げてきた病院の立場をしっかりと自覚し、後になって地域の皆さんや職員らが後悔しないように移譲の準備を整えてゆきます。」

 徳島県はどうかかわるか?未だ不透明のままのスタートに
鳴門病院の運営は「地方独立行政法人」としてといいますが、病院で働く職員の身分(賃金・労働条件)はどうなるのか?公的病院という以上赤字が出た場合の補填は誰がどのようにするのか?などまったく不透明のままのスタートのようです。
 荒瀬病院長がいう、「地域医療の充実」に期待するとともに、徳島県が買取った以上、徳島県として「公的存続」を果たすというこの責任の所在はあためて明確にする必要がありそうです。
 では。

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