2月15日阿波銀ホール(県郷土文化会館)で新町西再開発シンポジュームが開かれ百人を超える参加者が熱心に耳を傾けました。
シンポジュームは市民劇場の三宅修の司会で進められ、はじめに、塀本信之市議会議員から、音芸ホールと再開発をめぐる経緯(1992年~2011年)と問題点が提起されました。塀本氏は、音芸ホール建設は、もともと県市協調と市民合意で「良いホール」の建設をと進められてきたこと。市民検討会議や市民アンケートなどを通じて「旧動物園跡地」への建設計画が市民合意で進められてきたが、原市長が突然市民合意を踏みにじって独断で新町西再開発に音芸ホール建設を組み込み今日に至っていること。また、現行案は、ウオーターフロントを売り物にしているが、そのために河川管理者である徳島県との協議が遅れ、昨年12月に「都市計画決定」するはずが大きく遅れてきていることや、地権者の一部や周辺地区の住民からも反対運動がおきるなど大きな問題点を抱えていることなど指摘されました。
シンポリストの新町西再開発を見直す会の太田周造さんは、「4千人を超える再開発反対の署名を集めていることを紹介、東日本の大震災のさなかで、150億円もの巨費を投ずる時機ではない。こんなお金があれば被災者救援に使うべきだ。」と述べ、地権者の一人の記井正文さんは、「音芸ホールで活性化はできない。3分の2による強制はしないというが、聞いても地権者の賛否状況はいっさい出てこない。」、元音芸ホール推進検討市民会議公募委員の福永二郎さんは、「良いホールがほしいとおもっています。公募し8回にわたって当時協議し報告書をまとめた。いま音芸ホールの建設はどうかという意見も理解する。市民合意の無いまま進めるのではなく、いいホールを作るためにもみんなの意見を良く聞いてほしい。時間がかかってもいいから良いホールを」市民コンサートの門田智明さんは、「徳島市の文化センターを改修し活用したらどうか」、市議会議員の久次目尚武さんは、「県市協調で進めるべきだ。再開発というが何人の地権者が地元に残るのか疑問。文化センターの耐震化・リニューアルは検討に値する」、市民劇団の今治秀雄さんは、「私は、公開の場としてのホールよりも練習の場を提供してほしい」などとそれぞれ意見を述べました。
フロアーからは、加戸悟市議会議員が発言し、徳島市の文化センターの改修について、同規模・同時期に建設された他県の視察報告がされ、10億~15億円で、約20年の活用が出来るのでは? と述べ、あわわ創業者の住友氏からも、文化センターの改修は早くから指摘していた。徳島市の側も改修できることは知っていたのではないか?とした上で、このようなシンポには、行政側や再開発賛成派も呼ぶべきだと指摘されました。
わたしの感想ですが、今回のシンポジュウムで、154億円の巨費を投ずる新町西再開発事業は中止し、「音芸ホール」は当面徳島市文化センターを耐震・改修して使うことが望ましいという全体の方向性が明確になったように思います。
このシンポには、十枝修氏も参加し、フロアーから、「文化センターの改修を政策に取り入れたい」との意思表明も行なわれました。