金融機関が集中するアメリカのウォール街を震源地に、米国の各都市で、「経済格差や高い失業」に抗議する若者らのデモが広がっています。
朝日新聞の5日2面の報道によるとデモのスローガンは、「ウォール街を占拠せよ」「1%の金持ち、99%は貧乏」「富裕層に課税を! 貧困層に食べ物を」のプラカードをかかげ、「どれだけ長い間、金持ちが貧困層から搾取してきたことか。今の社会はおかしい。気づいていない人たちの目を覚ましたい」という若者の声を伝えています。
朝日新聞は、抗議活動の背景として~
広がりつつある貧富の格差が横たわっている。として、米国で昨年あらたに260万人が貧困層に陥った。(4人家族で年間所得約171万円)全米の貧困層は合計4618万人にのぼり、この種の統計をとり始めて最多であり、全人口に閉める貧困率の15.1%で、このような「貧困」と格差が抗議活動の背景にあるとの分析を示しています。
日本でも、格差はますます深刻に、しかも急速に広がっています。
日本では、「派遣村」で象徴される雇用不安と賃金格差が、労働者派遣法の製造業への解禁以降急速に広がり、臨時・パート・派遣など非正規労働者が全労働者の3分の1を占めるにいたっています。これらの労働者は、失業と隣り合わせの雇用不安にさらされ、しかもワーキングプアといわれる、働いてもなお貧困状態の「低賃金」労働者数は1千万人をゆうに超えています。その一方で、日本の主要大企業は、史上空前の利益を「積み上げ」その内部留保金の総額は、240兆円を超えています。
2年前の政権交代、民主党に期待したものは、実は前述の「格差」か背景にあったのではないでしょうか。アメリカでは2大政党に期待できない若者が「出口なき金融街デモ」(朝日)に立ち上がっています。政権交代したものの、庶民には増税(所得税・消費税)、金持ちには減税(法人税・証券優遇税制)の自民党時代に逆戻りの政治のあり方に、日本国民の怒り、政治への探求はどうすすむでしょうか。
国民の立場で、正論を貫く日本共産党の存在が光り始めるときです。