新聞報道によると、京都「五山送り火」。岩手県陸前高田市の松でできた薪の使用について、表皮から一キログラム当たり1130ベクレルの放射性セシウムが検出され、京都市は12日、「中止する」と発表。京都市長は記者会見で「計画は、放射性物質が含まれていないことを前提にしていた。断念せざるを得ない」と説明した。
朝日新聞の「解説」では、セシウム検出は表皮で、薪内部からは検出されなかったこと。近畿大学の教授の意見として「500本燃やしても二次汚染が問題になる量ではない」との指摘を示し、セシウムがどこで薪に付着したかは分からないが、大気中に放射性物質が放出されているのでそもそもセシウムが検出されること自体不思議ではなかった。とした上で、むしろどの程度の量が検出されたら利用できないのかといった目安も持たず、燃やす~燃やさないと方針を二転三転させたことが問題だ。論理的に評価する物差しをもたなければ風評被害をさらに助長しかねない。と解説する。
「物差し」を持てというのですが、服部徳島大学名誉教授(物理)による学習会で、長期の低線量被爆の身体に及ぼす影響について、日本ではこの種の『内部被爆』の研究は、原発推進利益共同体のもとで軽視され十分な研究がなされていないこと。特に子どもへの影響については放射能汚染を限りなくゼロにするべきだとお聞きしています。だとすれば、現段階で「物差し」を打ち出して、この種の健康に及ぼす影響の判断はきわめて難しいのではないでしょうか。
また、信頼度がゼロに近い政府のもとで、誰が「物差し」をつくり発表し、どこまで法的拘束力を持たせるのか?「 言うは安し行ない難し」の感は否めません。
薪でこのような事態ですから、これから本格的に始まるガレキ処理、除染「土」などさらに混迷が広がりそうな問題です。
では。