消費税10%増税の中止を求める請願について~請願を「不採択」とした総務委員会報告に対する反対討論を行いました。

9月21日徳島市議会は決算審査(一般・企業)を除き、平成30年第3回定例会(9月議会)を閉会しました。閉会日冒頭に、活性会議・至誠会など2会派5名から遠藤市長への不信任決議が上程されましたが、提案者の5名以外の23対5で否決されました。日本共産党市議団は、遠藤市長への不信任決議に反対するとともに、公共施設の危険なブロック塀の撤去改修を進める補正予算をはじめとする各議案に賛成しました。
また、今議会に提出された「消費税10%増税の中止を求める意見書の提出を求める」請願について、付託された総務委員会でで不採択(賛成は見田のみ)となった請願について、不採択に反対する討論を行いました。

2018年9月議会 
消費税10%増税の中止を求める請願について、
不採択とした委員会報告にたいする反対討論
日本共産党市議団 見田 治

総務委員長報告の中で、「消費税10%増税の中止を求める請願」について、採決の結果不採択とするとの総務委員会報告がありましたが、改めて本会議の場において本・請願をご採択いただきますよう申し上げ、総務委員長報告に対する反対討論を行います。

 本請願は、請願趣旨冒頭に「安倍政権は2019年10月の消費税率10%への引き上げを予定どおり行うとしています。しかし、税率8%への増税後、国内総生産は落ち込み、個人消費や実質賃金の低迷が続いています。しかも、社会保障はよくなるどころか負担は増すばかりで、多くの国民から悲鳴が上がっています」と述べていますか、まさにその通りです。
 そもそも、安倍政権がなぜ増税を延期したのか、言うまでもなく、アベノミクス経済の失敗によって低迷する日本経済の動向が背景にあります。
最近、財務省が発表した2016年度法人企業統計の資本金10億円以上の大企業の内部留保は403.4兆円。この一年間で17.6兆円増やしました。
安倍政権が発足した2012年度から2016年度で見ると、大企業の内部留保は56兆円も積み増しとなり、経常利益は35.9兆円から52.8兆円と47.1%の増加し、役員報酬も同じ期間に9.3%の増加しています。
しかし、労働者の賃金はどうでしょうか。この間の労働者の賃金は僅か3.6%増で、この間の物価上昇、5.0%を差し引けば、実質賃金はマイナス-です。
「景気は緩やかに回復している」などと政府や経済界がまことしやかに宣伝しても、国民の中に「景気回復の実感が全く感じられない」というのはこのためです。
国民の中に広がる、格差と貧困の連鎖の中で、日本の内需の6割を占める「個人消費」の冷え込みは続き、景気回復の実感が全く感じられない中、このような時に、消費税10%増税を強行すればどうなるか、かって税率8%への増税がもたらしたGDP国内総生産の落ち込みは免れません。
大企業は、生産を縮小し、販売が落ち込んでも大きな利益を確保しています。
なぜか、経済のグローバル化をテコに、正社員を派遣や臨時に切り替え、労働力コストを切り下げて利益確保を行い得るからです。しかし、企業の99.7%を占める中小企業はそうはいきません。個人消費の落ち込みは、即、生産と売り上げの減少につながり、厳しい経営難に追い込まれます。これらは、一層、日本経済の疲弊を招きます。賃金を切り下げ、働く国民の雇用など生活基盤を奪い、個人消費のさらなる下落によって、デフレ脱却どころか、国民経済の悪循環に拍車をかけることになるでしょう。
消費税増税を社会保障の財源のためなどといいますが、消費税導入以来の税収はどうなったでしょうか。
 1989年、消費税が、「福祉のため」「少子高齢化のため」といって初めて導入されて以来、これまで消費税の税収総額は349兆円です。その一方で、この間法人3税、即ち、法人税・法人住民税・法人事業税の減税総額は280兆円にも達しています。これ以外にも、輸出大企業には、消費税還付金が、事業年度2016年4月~2017年3月期で、トヨタ自動車の3231億円を筆頭に、製造業上位12社で、年間8311億円もの莫大な還付金が還元されているのです。まさに、消費税は、社会保障の財源ではなく、大企業減税の穴埋めにされたといって過言ではありません。
消費税は、子どもや各地の災害被災者にもかかります。低所得者ほど重く、高額所得者ほど軽い、日本共産党市議団は、憲法に言う「応能負担の大原則」に反する、逆進的な不公平税制であり、そもそも廃止すべき税制だと考えています。
しかしながら、本請願の趣旨は、
消費税の是非を問うものではなく、個人消費や実質賃金の低下など現下の日本経済の状況のもとで、景気の悪化を懸念し、住民の暮らし、地域経済、地方自治体に深刻な打撃を与える、消費税10%増税の中止を求める意見書の提出を求める請願であり、消費税を是とする議員各位にもご理解をいただけるものと思います。
また、10%増税に合わせて、食料品などを8%に据え置く、複数税率の導入も準備されていますが、「適格請求書(インボイス)」が義務付けられることで、約500万人の免税事業者が商取引から排除される懸念も指摘されています。
以上のことから見ても、消費税10%増税はきっぱりと中止をすべきであります。
よって、本請願を改めて、ご採択いただきますようお願いし反対討論といたします。
以上

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