アベノミクスは、際限のない金融緩和で、円安を誘導し、輸出大企業を中心に利益をもたらし、その一方で、大企業のための労働者派遣法の改悪で大量の非正規労働者をつくりだすことによる労働力のコストダウンをはかり、売り上げが増えなくても、大企業に莫大な利潤をもたらす仕組みです。そのうえで、その大企業のもうけが中小企業や労働者の賃金にまで「したたり落ちる」・トリクルダウンするはずでしたが、まったくの当て外れとなりました。結局、大企業は儲けた利益を「内部留保」としてため込み、外資系投資家などへの「配当金」に差出し、経営者自らも「役員報酬引き上げ」で懐を肥やしましたが、儲けた利益は中小下請け企業や労働者に届かず、「トリクルダウン」=社会的還元論は破たんしてしまいました。
日本共産党は、大幅賃上げ、最低賃金の引き上げをはじめ、社会保障の充実など国民の家計を直接温める施策の必要性を指摘してきましたが、アベノミクスの破たんが明確となり、働く国民に直接目を向けた「最賃引き上げ」「賃上げ」の必要性など、日本共産党の主張の一部を安倍内閣・日銀にして認めざるを得なかったということでしょうか。
しかし、国民の購買力を奪う、社会保障の削減方針や消費税増税方針は変わっていませんから、アベノミクスによる日本経済の落ち込みが引き続き続くことは必然でしょう。
市場経済は、ある意味科学です。共産党だろうが自民党だろうが結果は冷厳な事実として政権に突き付けられることに~ということでしょう。