恥ずかしくないですか、「南京大虐殺」のユネスコ世界記録遺産登録に拠出金停止・減額の発言。

菅義偉官房長官が12日のTV番組で「南京大虐殺に関する文書が登録されたのを受け、ユネスコへの拠出金の停止や減額を検討すべきだ」との認識を示した、との報道がなされています。日中間では「南京大虐殺」の犠牲者数については、中国側30万人以上に対し、日本政府は「非戦闘員の殺害や略奪行為があったことは否定できない」としつつ「犠牲者数については政府として認定することは困難」などとして、自ら積極的に犠牲者数については把握しようとしていません。このようなもとで日中歴史共同研究委員会が2010年1月に公表した報告書の日本側研究では、「20万人を上限として4万人、2万人などさまざまな推計がある」として日中双方の見解を併記しています。
 ユネスコ世界記録遺産登録に関する新聞報道(10/11付徳島新聞)を丹念に読みましたが、提出した関連資料では、30万人以上とした南京軍事法廷の記録、判決で犠牲者を20万人以上とした極東国際軍事裁判(東京裁判)の記録資料、米国人牧師が撮影したフィルム、旧日本軍が撮影したという虐殺関連の写真、中国人生存者の証言、当時の政府による調査資料が含まれている。(以上、報道記事より)とあり、日本政府が、犠牲者数について間違いだというなら、政府自ら犠牲者数の事実検証について積極的に進めるべきではないでしょうか。
 日本政府は中国外務省に「ユネスコの場をいたずらに政治利用すべきでない」と抗議した(徳島新聞)と報道されていますが、ユネスコの世界記憶遺産には、日本の「シベリア抑留資料」も登録されており、日本政府の意に沿わなければ、拠出金の停止・減額を口にする政府の姿勢こそ、国際社会の中で恥ずべき行為ではないでしょうか。

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