徳島市第4回定例会(12月議会)~委員会・委員長報告に対する反対討論を行いました。

2014年12月18日「第4回定例会」の反対討論
 日本共産党市議団 見田 治

日本共産党市議団の見田治でございます。
日本共産党市議団を代表して、反対討論を行います。
本定例会においては、6件の請願が提出されました。
提出された請願の内、請願6の「介護従事者の処遇改善を求める請願」、請願7の「子ども はぐくみ 医療費助成制度の拡充に関する請願」、請願8「国民健康保険の広域化に反対し、国庫負担の復元を求める意見書の提出を求める請願」、そして、請願10の「集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を求める意見書の提出を求める請願」の4つの請願について、委員長報告は不採択とすべきとされました。
 日本共産党市議団は、これら4件の請願は、市民の切実な要求や日本の平和に関わる重要な請願であり、採択すべきものであるとの立場から、不採択すべきとされました委員長報告に対し反対討論を行います。

まず、請願6・介護従事者の処遇改善を求める請願ですが、ご承知のとおり、少子・高齢化と核家族化がますます進行する中、施設介護においても在宅介護においても、「社会的介護」の必要性は年々高まっています。請願趣旨にありますように、介護職の離職率は他職種と比較して高く、その原因が全労働者の平均賃金を9万円も下回るという介護労働者の「低賃金・重労働」にあることは紛れもない事実です。

 (財)介護労働安定センターが平成24年度介護労働実態調査を行い、同調査を厚労省の「社会・援護局福祉基盤福祉人材確保対策室」において集計したところ、介護労働者の就業形態は、施設介護にあっては、41.5%、訪問介護員にあっては、80.3%が非正規職員に依存し、施設介護職員の年齢構成は、20歳から29歳が19.7% 30から39歳が23.6%で、合わせて43.3%と、若い世代が働いていることも特徴的です。若い世代が、非正規・低賃金で、人生の将来設計が見えず転職する事例も多く、介護労働者の処遇改善は急務となっています。そしてこれら介護従事者処遇の改善にあたっては、国民負担増となる保険料や利用料などに転嫁せず国費にするとしていることについても大いに賛同できるものですし、また、国の「介護・障害福祉従事者処遇改善法」において、介護職は無論のこと、介護現場で働く他職種においても処遇改善が図られものとするよう求めていますが、例えば、介護現場にあって、不足している事務職のケアーマネージャーなどの処遇改善にもつながるものとすることは、必要なことではないでしょうか。
現場での人手不足は深刻です。超高齢化社会を迎え、介護の必要性は高まり、介護労働者の数も年々増加しています。これら介護に従事する職員の方々の処遇改善の必要性については、党派・会派の違いを超えて一致できるのではないでしょうか。ぜひ採択いただきますようお願いいたします。

次に、請願7、こどもはぐくみ医療費助成制度の拡充を求める請願ですが、助成制度を中学校終了まで拡大すること。制度改善にあたっては、所得制限を設けず入院・通院とも現物給付とすること。国に対し、乳幼児医療費無料制度の創設などを求める意見書を提出していただくこと。国に対し、国民健康保険療養費国庫負担金の調整(減額)廃止を求める意見書を提出いただくこととされています。
未来の希望である子供たちが、お金のあるなしで命や健康が阻害されることなく、すくすくと育ってほしいと願うのは国民共通の願いではないでしょうか。働く女性が増える一方で、働きながら安心して子どもを産み育てることのできる社会環境を整えることは、国や自治体の使命であります。
もちろん中学校卒業まで医療費助成制度の実施に当たっては、国の制度として、また、県の制度として、まだ確立していない以上、事業の実施には「市としての財源」がともないます。しかしその財源は、1億3千万円程度であり実現不可能な額ではありません。
また、国に対し国民健康保険療養費国庫負担金の調整(減額)廃止を求める意見書提出の中身ですが、医療費助成には、一旦自己負担の全額を医療機関の窓口で支払い後日申請により助成される償還払い方式と、窓口で自己負担を支払う必要がない現物給付方式があります。国は、現物給付方式の場合、医療機関に受診する患者数が増えると解釈し、増えた医療費について国庫負担を減額する仕組みとして「国民健康保険療養費国庫負担金の調整」を用いています。市町村が、窓口負担なしに子どもたちにより受診しやすいようにと自主的に実施する現物給付に対して、負担金の調整で減額するなどという国のこのような受診抑制の廃止を求めるもので、「こどもはぐくみ医療費助成制度」にあっては、国に求める当然のものであります。ご採択頂きますようお願いいたします。

次に、請願8 国民健康保険の国庫負担を従前の負担割合に計画的に復元し、且つ国保運営の広域化を行わないよう求める請願ですが、徳島市の国保料にあっては、所得に占める保険料の割合が全国一高く、「高すぎる国保料の引き下げ」を求める市民の声は、この3年余で延5万5千筆余の署名が徳島市に寄せられています。
徳島市においても、全国市長会を通じて、国民健康保険制度における国の負担増を求める要望を出されていますが、国は1984年、医療費の45%であった国庫負担率を38.5%に引き下げ、以降、引き下げは続き、今日では、国の負担率は24%にまで下げられています。
ご承知のように、国民健康保険制度は、国民健康保険法第1条で、この法律の目的を定め 「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」とし、社会保障制度の一環として設けられているものであります。また今日の国保加入世帯の実態は、産業構造の激変で、農林魚業・自営業者など一定の所得のある加入世帯は大きく減少し、年金生活者、非正規雇用など低所得世帯が多く、国保加入者と国保を運営する市町村の負担は既に限界を超えています。国の国庫負担率を計画的に1984年前の医療費の国庫負担率45%に戻すべき、とする意見書は徳島市が置かれている国保運営の実態からも切実なものがあるのではないでしょうか。
また、国保運営の広域化は、保険料や給付のあり方について、住民の目が届く市町村単位の運営から都道府県単位に運営を移し、住民の目が直接届かない組織運営とするものであり、国保料の値上げと給付の抑制の押しつけが強められることは明らかで、国民健康保険制度が社会保障制度の一環として、誰もが安心して医療を受けることができる制度として今後共、持続的に発展させる上で、本請願は採択されるべきものであります。

最後に、請願10 集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を求める意見書の提出を求める請願についてであります。
本請願が提出を求める「意見書」には、「これまで歴代政権が憲法上行使できないとしてきた集団的自衛権の行使、国連の安全保障に名を借りた多国籍軍への参加などに大きく踏み出す決意を安倍晋三首相が表明し、憲法解釈の変更によって、憲法改正の手続きを踏むことなく集団的自衛権の行使を容認することは、立憲主義の否定であり、到底許されないとし、「国民主権主義」をないがしろにしていると厳しく指摘しています。
この立憲主義・国民主権を否定する安倍内閣の閣議決定は、自民党元幹事長の加藤紘一氏や憲法改正論者で憲法学の小林節慶応大学教授など保守の立場の人々からも厳しく批判されていることはご承知のとおりであります。
集団的自衛権行使容認の正体は何か、日本がアメリカと海外で戦争するためのものであり、一つはアメリカの戦争に自衛隊が「戦闘地域」までいって軍事支援を行うこと。二つは、「自衛の措置」という名目で、集団的自衛権行使容認に公然と踏み込んだことです。
海外での戦争を、国の存立、自衛措置の名で押し進めることは、かつて日本軍国主義が「帝国の存立」「自存自衛」の名で侵略戦争を進めた誤りを再び繰り返すものであり断じて認めることはできません。
憲法9条を破壊し戦後日本の国のあり方を根底から覆し、「殺し殺される国」に作り替えようとする安倍政権の暴走は許さないという市民の決意を示すためにも、日本共産党市議団として本請願の採択に大いに賛成する立場を表明いたします。
また、見識ある議員諸氏に対し本請願の採択をお願い申し上げ、以上4つの請願を不採択すべきとした委員長報告への反対討論を終わります。

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