残業代ゼロ法案~真っ平御免です。

 賃金を労働時間ではなく「成果」によって支払う仕組みといいますが、もともと労働者は、経営者の「指揮命令」によって労働を提供しています。
 働く賃金支給基準が、労働時間を基準としている今は、労働者は労働時間を超えて経営者から「指揮命令」を受けることは原則ありません。労働時間外は、労働者は経営者の指揮命令に縛られることなく完全自由です。
 では、働く賃金支給基準が「成果」ということになればどうでしょうか。「成果」に縛られた労働者は、現在の一日8時間労働の枠組みを超えて、「成果」という名の経営者の指揮命令に縛られ続けることになります。
 もともと、成果を基準とした「はたらき」というのは、労働者の労働のあり方ではなく、資本家・経営者・株主らの「はたらき」方です。経営者は、労働時間に関心があるのではなく、まさに「成果」「利潤の有無」が最大の関心ごとなのですから。
 残業代ゼロ法案は、もともと、「成果」を競い合わせて労働賃金コストの総額を抑える手立てとして考え出されたことと、労働時間短縮を求める労働者のたたかいを押さえ込む、財界の一石二鳥の思惑が見え見えです。
 厚労省の高額年収者に限るという限定案ですが、今の労働者派遣法が、最初は「専門職」限定で始まったものが、今は、製造業を含め「原則自由」という状況を見れば、厚労省案によって、一旦「残業ゼロ」が始まれば、際限なく広げられることは目に見えています。 この残業代ゼロ法案を積極的に後押しをする「安倍政権」。
 国民の幸せとはなにか。何のための経済かを、私たちが本気で考える時ではないでしょうか。
 では。
 
 

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